初期オーリナシアンの年代

 初期オーリナシアン(オーリニャック文化)の年代を新たに測定した研究(Szmidt et al., 2011)の要約を読みました。この研究は、要約だけではなく全文を読むだけの価値がありそうなので、そのうち全文を入手して読もう、と考えています。この研究では、フランスのIsturitz(読み方に自信がないのでそのまま表記します)洞窟のC4層で発見された有蹄類の骨が、新たなAMS放射性炭素年代測定法により分析され、その新たなデータをもとに、ヨーロッパにおける中部旧石器時代~上部旧石器時代への移行について議論されています。

 Isturitz洞窟のC4層で発見された石器はオーリナシアンとみなされるのですが、先オーリナシアンや技術的変容の様相も見せており、現在の古人類学における主要な議論の一つである、ヨーロッパにおける中部旧石器時代~上部旧石器時代への移行に、重要な手がかりを与えると期待されます。これは、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)の絶滅と現生人類(ホモ=サピエンス)のヨーロッパへの進出の関係という問題でもあります。C4層の下の層で、琥珀のペンダントのような装飾品が発見されていることから、ヨーロッパにおけるシャテルペロニアンとオーリナシアンの年代順についての議論や、ヨーロッパにおける技術・文化的革新の年代についての議論の手がかりともなるでしょう。Isturitz洞窟のC4層で発見された有蹄類の骨の年代は平均して37180±420年前(非較正のようです)であり、この年代は、シャテルペロニアンに現生人類との接触の影響を想定する見解に有利だと言えるかもしれません。


参考文献:
Szmidt CC. et al.(2010): AMS 14C dating the Protoaurignacian/Early Aurignacian of Isturitz, France. Implications for Neanderthal–modern human interaction and the timing of technical and cultural innovations in Europe. Journal of Archaeological Science, 37, 4, 758-768.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jas.2009.11.006

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