人類の進化とDNAの喪失

 人類の進化とDNAの喪失についての研究(McLean et al., 2011)が公表されました。この研究では、ヒトゲノムのコンピューター解析により、チンパンジーなどの他の動物では高度に保存されている塩基配列のうち、500ヶ所以上が除去されているという、ヒトに特異的なゲノム欠失が発見されました。ヒトゲノムのこのような変化は、ヒト固有の生物学的特性に寄与してきた可能性が高い、とこの研究では指摘されています。

 欠失した塩基配列の大半はヒトゲノムの非コード領域にあり、神経発生やステロイドホルモンシグナル伝達に関与する遺伝子の近傍に多いことが明らかになりました。欠失の具体例としては、陰茎の解剖学的構造に影響するものや、脳の大きさに関係するものなどが挙げられます。こうしたことは、重要な発生制御遺伝子近傍の調節領域の変化が、人類の進化に重要な役割を担ってきたのではないか、という近年の有力な見解と整合的です。


参考文献:
McLean CY. et al.(2011): Human-specific loss of regulatory DNA and the evolution of human-specific traits. Nature, 471, 216–219.
http://dx.doi.org/10.1038/nature09774

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