中期石器時代におけるオーカーの利用

 中期石器時代におけるオーカーの利用と、人類の認知能力についての研究(Henshilwood et al., 2011)の要約を読みました。この研究で取り上げられている遺跡は、「現代的行動」の起源についての議論で必ずといってよいほど取り上げられる、南アフリカのブロンボス洞窟です。2008年のブロンボス洞窟における発掘では、オーカーを豊富に含む10万年前頃の液化性混合物が生産され、アワビの殻に貯蔵された痕跡が発見されました。また、骨・炭・砥石。叩き石なども発見されており、これらは生産・加工用の道具で、ブロンボス洞窟は加工場としても利用されたのではないか、とも指摘されています。

 この混合物がどのような目的で用いられたのか、現時点では不明なのですが、この研究では、装飾や肌の保護といった可能性が指摘されています。物質にたいする概念的能力は、「現代的行動」の重要な指標とされており、「現代的行動」が上部旧石器・後期石器時代に一揃いで出現した、とする見解が以前は有力でしたが、近年では、「現代的行動」は散発的に出現し、そのなかには中期石器時代にまでさかのぼるものが多い、との見解が有力になりつつあります。この研究も、近年の傾向をさらに強めていくことになるでしょう。


参考文献:
Henshilwood CS. et al.(2011): A 100,000-Year-Old Ochre-Processing Workshop at Blombos Cave, South Africa. Science, 334, 6053, 219-222.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1211535

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