NHKスペシャル『ヒューマン なぜ人間になれたのか 第2集 グレートジャーニーの果てに』

 先日、このブログで取り上げたNHKスペシャル『ヒューマン なぜ人間になれたのか』シリーズの第2集が昨日放送されました。
http://sicambre.at.webry.info/201201/article_18.html

 現生人類(ホモ=サピエンス)の出アフリカと世界各地への拡散が今回の主題となりますが、今回は飛び道具万能主義・中心史観とも言うべき見解を前提として説明が続くので、さすがに困惑してしまい、突っ込む気力がわきません。確かに、飛び道具が現生人類(ホモ=サピエンス)の世界各地への進出にさいして重要な役割を果たしたでしょうが、さすがに今回は、あまりにも単純化しすぎだと思います。正直なところ、現生人類の地球上での大繁栄の要因について、まだ的確・簡潔に述べられるような段階ではないだろう、とは思います。

 このシリーズについては、近年の研究成果を取り入れた意欲作になるのではないか、と期待していたのですが、どうも、近年の一部の研究を都合よく取り上げて解釈することにより、単純化された分かりやすい物語を提示する、という前提で制作されているように思います。ヨーロッパでの現生人類とネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)との1万年間の共存という説明は、少し前までの主流だった年代観ですが、近年ではこの年代観は長すぎる、との見解が有力になりつつあるように思います。もっとも、この問題はまだ不確定なところが多分にあるので、1万年説が間違っていると断定するわけではありませんが、具体的な年代は提示しなくてもよかったのではないか、とも思います。

 現生人類とネアンデルタール人の交雑については、一時期は否定説が優勢でしたが、一昨年以降は、肯定説が優勢になっているように思います。今回は、ネアンデルタール人と現生人類との交雑については触れられず、両者は競合関係にあることが強調されていました。協力・協調という概念が好きそうなNHKスペシャルの制作陣にとって、格好の話題のようにも思うのですが、現生人類が協力により繁栄した、という番組の趣旨からすると、現生人類とネアンデルタール人との交雑の可能性については無視した方が都合がよい、という判断なのかもしれません。

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この記事へのコメント

kurozee
2012年01月31日 17:30
ネアンデルタール人が白人プロレスラーみたいだったのには、思わず吹き出しました。

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