五島勉『1999年日本 ノストラダムス「大予言」からの脱出』

 これは6月11日分の記事として掲載しておきます。今年2月に、このブログで『【予言・預言対談】飛鳥昭雄×五島勉 ノストラダムスの正体と黙示録の真実』を取り上げましたが、
http://sicambre.at.webry.info/201302/article_13.html
同書において五島勉氏は、ハーバート=ジョージ=ウェルズの著作を題材に新作の執筆に取りかかる、と述べており、気になっていたところ、今年5月に『H・G・ウェルズの予言された未来の記録』として祥伝社より刊行されました。『【予言・預言対談】飛鳥昭雄×五島勉 ノストラダムスの正体と黙示録の真実』を取り上げた記事でも触れましたが、五島氏は過去の著書『1999年日本 ノストラダムス「大予言」からの脱出』においてウェルズの著作を取り上げており、新刊の『H・G・ウェルズの予言された未来の記録』を読む前に、『1999年日本 ノストラダムス「大予言」からの脱出』を読み直してみよう、と考えた次第です。以下、雛形
http://sicambre.at.webry.info/201105/article_5.html
に沿って『1999年日本 ノストラダムス「大予言」からの脱出』について述べていきます。

●書名
1999年日本 ノストラダムス「大予言」からの脱出

●副題
終末を覆す『来たるべきものたちの影』

●出版社
祥伝社

●形態
カッパ・ビジネス 1-168

●分野
H=G=ウェルズ予言

●初版第1刷の刊行年月日
1996年1月30日

●所有本の版と刊行年月日
初版1刷、1996年1月30日

●推薦者・解説者
不明

●推薦文・解説文
不明

●備考
古書店にて購入して帯がついていなかったので、推薦者・推薦文は不明です。

●雑感
 本書は、ウェルズの著書『来たるべきものたちの影』(原題は“THE SHAPES OF THINGS TO COME”)を予言書として解釈しています。ノストラダムス予言の解釈で有名な五島氏ですが、ノストラダムス以外にも、聖書やファティマやヒトラーやイソップなど、さまざまな書物・事象に予言を見出してきました。1999年が近づくにつれて、ノストラダムス一本では苦しいということで、多角化を企図した、という傾向を見出すことも可能かもしれませんが、ノストラダムスの出自から考えて聖書は当然としても、五島氏はノストラダムスや聖書以外の予言(と五島氏が解釈した書物・事象)も、割と早い時期から積極的に取り上げています。

 五島氏というと、ノストラダムスの予言を根拠に1999年の人類滅亡を主張したことであまりにも有名ですが、実は予言に関する著書では、最初期より「救い」の可能性についても指摘していました。五島氏は、予言に関する最初の本格的な著書である『ノストラダムスの大予言』が刊行された1973年11月の時点で、すでに経験豊富な雑誌記者だったようですから、さすがに抜け目がないな、と思います。また、本書でも垣間見られますが、その「救い」はヨーロッパ・アメリカ・ユダヤの原理とは異なるものに基づかねばならない、とも示唆されており、五島氏の反欧米ユダヤ観が見られます。それでも、五島氏が人類滅亡を強調してきたことは否定できないでしょうが、五島氏によると、それは警告だった、ということになります。五島氏のこの弁明がどこまで妥当なのか、今後五島氏の著書を読み直し、検証していくつもりです。優先順位は古人類学よりも下なのですが、五島氏の言説の検証は、私にとって生涯の課題で、いつかは何とかある程度まとまった形にしたいものです。

 現時点では、五島氏の長期に亘る言説について詳細な検証はほとんどできておらず、漠然とした印象論にとどまるのですが、五島氏が人類滅亡と「救い・希望」のどちらを強調しているのか、という点については、1999年が近づくにつれて、「救い・希望」を強調する傾向が強くなっているように思います。1996年1月に刊行された本書はとくにその傾向が強く、全体的に「救い・希望」が強調されています。ただ、五島氏はそれ以前の著書における主張との整合性から、「救い・希望」の前に大いなる危機が迫ることも指摘し、特別な権力者や富豪ではなく普通ではあるものの、「覚醒した」人々によって新たな「希望」の時代が到来することを、ウェルズの『来たるべきものたちの影』から読み取っています。

 まえがきの日付は1996年1月5日となっており、本書は1995年のうちに本文の執筆・校正はほぼ終わっていたでしょう。執筆の時期は1995年夏~秋にかけての頃だった可能性が高そうで、五島氏は、1995年の日本の負の象徴と言えるオウム事件に触れつつ、ウェルズの著書を解釈していきます。本書に限らず、積極的に時事問題と絡めて予言を解釈するというのが、五島氏の著書の特徴となっています。オウム事件の時、五島氏の著書がオウム真理教に与えた影響が指摘されていた、と記憶していますが、本書では、そうした指摘への反論は見られません。

 本書には、ウェルズの著書の解釈に基づく、20世紀末以降の日本・さらには世界全体の行く末について、1995年時点での五島氏の見通しが述べられていますが、あくまでも大いなる危機を辛うじて乗り越えて、という前提があるものの、かなり楽観的なものになっており、以下に列挙していきます。

(1)癌やエイズやアトピーは、早ければ2005年、遅くても2010代半ばに全治するようになる。同じ頃までに、細胞を全体に若返らせる画期的な薬や方法が登場します。

(2)2020年代には、小さな箱か薄い本のようなものの中に納められた「新しい通信システム」により、経済も含めて人の交流が容易になるが、それは危険もはらんでいます。

(3)2030年代には、サハラ砂漠の緑化で食糧問題は根本的に解決し、人口問題も好転します。

(4)2040年代には自然エネルギーの活用法の画期的進展により、エネルギー問題解決に前進します。

(5)以上のような進歩により、2050年代にはワールド・ルネッサンスの勝利宣言が出されます。

(6)日本は、20世紀末~21世紀初頭にかけて危機を迎え、デフレによる殺風景な状況が現出します。

(7)しかし日本は、新しい通信システムによりこの経済的・社会的苦境から脱出し、ワールド・ルネッサンスに大きく貢献します。

(8)21世紀には、経済の中心である日米欧が「世界国家」を作り、世界的な問題に対処していきます。

(9)21世紀において中国の役割は大きくなく、統一国家として機能しなくなるかもしれません。今後も日本は、経済的にも国際的にも中国にとって代わられることはなさそうです。

 五島氏はこうした予測を、ダライ=ラマ14世の発言も引用して、仏教の予言とも合致しており大枠では外れないだろう、と主張しています。ただ、(2)は時期が早まっているとはいえかなり当たってはいるものの、それ以外は外れかとても実現の見通しが立っていないものばかりです。とくに、中国の動向についての予測は、現時点では大外れと言ってよく、確かに中国の抱える問題は大きいのですが、国際的には今後もずっと、大きな影響力を発揮し続けるのはほぼ間違いないでしょう。果たして新刊の『H・G・ウェルズの予言された未来の記録』では、中国についての評価や世界の今後について、五島氏がどのような見通しを提示するのか、楽しみです。

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この記事へのコメント

名無し
2016年10月02日 22:57
ノストラダムスのあなたの本を読んで感激しました。別のものの存在なんですけど、自分によくあてはまる部分があったので、というよりそっくりだったので、あなたの予言はあっていると思いますよ。
名無し
2016年10月03日 19:53
別のものかなって感じ=大人になって精神分裂で1980年代生まれで本物と大器晩成両方の力秘めてると医者にいわれました。医者は一番だっていってたので日本の中では日本の本物のトップらしいです。高1でIQ136あったので、予言の本読んでもしかしたら自分かもと思いました。違ってたらすいません。第62代天皇までの天皇の末裔で源平藤橘すべて引いてます。何やってもたいてい一番なので、本読んでもしかしたらかと思いました。

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    Excerpt:  まだ日付は変わっていないのですが、6月15日分の記事として掲載しておきます。今年2月に、このブログで『【予言・預言対談】飛鳥昭雄×五島勉 ノストラダムスの正体と黙示録の真実』を取り上げましたが、 .. Weblog: 雑記帳 racked: 2013-06-14 20:02