ネアンデルタール人と現生人類との交雑についての解説記事

 今日はもう1本掲載します。近年になって研究が大いに進展している、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)と現生人類(ホモ=サピエンス)との交雑についての解説記事(Callaway., 2014)が公表されました。このブログでも取り上げた、近年の研究成果について言及されています。たとえば、40万年前頃の人類のミトコンドリアDNAについての研究です(関連記事)。この解説記事では、40万年前頃の人類のミトコンドリアDNAだけではなく、核DNAも解析できるよう、研究者たちが取り組んでいることが紹介されています。

 研究者たちは、100万年以上前の永久凍土層から生物のゲノムを解析できるのも時間の問題だ、と考えているようです。また、それだけではなく、より温暖な地域の古人骨からDNAを抽出・解析することも視野に入れているようです。そうすると、たとえばホモ=エレクトスのDNAも解析できるのではないか、というわけです。もちろん、大きな話題を呼んだホモ=フロレシエンシスのDNA解析も視野に入っています。もしフロレシエンシスのDNA解析に成功したら、現在議論となっている、フロレシエンシスの起源について重要な手がかりが得られるでしょう。

 近年の諸研究のまとめと今後の展望といった感じの解説記事なので、とくに目新しい情報はないのですが、それらの諸研究をまだ知らない人にとっては、かなり有益な解説になっているのではないか、と思います。この分野では、10年前には予想できなかったか現実感のなかった研究が進展しており、今後も、デニソワ人のように遺伝学的に未知の人類系統が相次いで発見されるのではないか、と予想されます。現生人類とネアンデルタール人などの古人類との交雑についても、主流的見解は大きく変わりました。今後もこの分野は大いに発展していくでしょうから、私もたいへん期待しています。


参考文献:
Callaway E.(2014): Human evolution: The Neanderthal in the family. Nature, 507, 7493, 414–416.
http://dx.doi.org/10.1038/507414a

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