中橋孝博「大陸から移動してきた人たち」『人類の移動誌』第3章「日本へ」コラム3

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。本コラムは、縄文時代~弥生時代の移行期における、いわゆる渡来人問題について考察しています。最初期の弥生文化の担い手については、在来の縄文人と渡来人のどちらに比重を置くのか、という議論があります。この問題を解決する手がかりとなる、縄文時代末期~弥生時代移行期の北部九州の人骨が乏しく、縄文時代末の人骨にいたっては皆無のため、結論を下すのが難しくなっています。

 このコラムは、北部九州の弥生時代中期の人骨が大陸集団に酷似していることから、弥生時代の開始を担ったのが在来の縄文人で、大陸からの集団は弥生前期末頃に渡来したとする説(農耕開始の主体縄文時代人説)だと、土着系と渡来系が一気に入れ替わったことになるが、その考古学的痕跡はないとしています。このことからこのコラムは、弥生文化をもたらしたのは大陸からの少数の渡来集団であり、農耕社会の高い人口増加力により、縄文系の人々を後に圧倒したのだ、と推測しています。


参考文献:
中橋孝博(2014)「大陸から移動してきた人たち」印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(臨川書店)第3章「日本へ」コラム3 P198-203

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