ネオニコチノイド系薬剤によるミツバチのコロニーへの影響

 ネオニコチノイド系薬剤によるミツバチのコロニーへの影響に関する研究(Budge et al., 2015)が公表されました。この研究は、2000~2010年のイングランドとウェールズにおける農薬使用量・土地利用・セイヨウアブラナ(Brassica napus)の収量・気象条件・ミツバチのコロニー消失について記述されたデータセットを解析しました。その結果、セイヨウアブラナに使用されるイミダクロプリド(ネオニコチノイド系殺虫剤の一種)の量的増加とミツバチのコロニー消失の増加が相関していることが明らかになりました。ただ、ミツバチのコロニー消失には地域差が見られ、春の低温もコロニー消失と関連していることが指摘されています。イミダクロプリドに関しては、トウヨウミツバチの嗅覚学習を阻害することも知られています(関連記事)。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【生態】一部のネオニコチノイド系薬剤による種子粉衣がミツバチのコロニーに悪影響を及ぼす可能性

 英国のイングランドとウェールズで2000~2010年にイミダクロプリド(ネオニコチノイド系殺虫剤の一種)を使ったセイヨウアブラナ(Brassica napus)の種子粉衣(種子コーティング)の使用が増えたことが、ミツバチのコロニー消失の増加と関連していることを示唆するデータを示す論文が、今週掲載される。また、今回の研究では、ネオニコチノイド系薬剤による種子粉衣を用いた農業生産者は、その後の殺虫剤の散布回数を減らしており、経済的利益があった可能性のあることも分かった。

 今回、Giles Budgeたちは、2000~2010年の11年間のイングランドとウェールズにおける農薬使用量、土地利用、セイヨウアブラナの収量、気象条件、ミツバチのコロニー消失について記述されたデータセットの解析を行った。その結果、セイヨウアブラナに使用されるイミダクロプリドの量的増加とミツバチのコロニー消失の増加が相関していることが明らかになった。ただし、ミツバチのコロニー消失には地域差が見られ、春の低温もコロニー消失と関連していた。

 また、種子粉衣されたセイヨウアブラナを使用する農業生産者は、他の殺虫剤の散布回数を減らしたことも分かった。その一方で、Budgeたちは、今回の解析対象期間中にイミダクロプリドによる種子粉衣がセイヨウアブラナの収量に及ぼした影響は、常にプラスあるいはマイナスとはならなかったことも指摘している。

 Budgeたちは、一斉開花性作物に使用されるネオニコチノイド系薬剤による種子粉衣が花粉媒介者に及ぼす影響を解明するためには、大規模な圃場実験など、さらなる研究が必要だと考えている。



参考文献:
Budge GE. et al.(2015): Evidence for pollinator cost and farming benefits of neonicotinoid seed coatings on oilseed rape. Scientific Reports, 5, 12574.
http://dx.doi.org/10.1038/srep12574

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック