『カラー図解 進化の教科書 第1巻 進化の歴史』

 これは3月5日分の記事として掲載しておきます。カール=ジンマー(Carl Zimmer)、ダグラス=エムレン(Douglas J. Emlen)著、更科功・石川牧子・国友良樹訳で、講談社ブルーバックスの一冊として、2016年11月に講談社より刊行されました。原書の刊行は2013年です。本書は、進化の具体的な過程とともに、進化の基本的な仕組みについての解説にもなっており、進化の入門書としてたいへん優れていると思います。豊富な具体的な事例が本書の特徴で、一般層にも面白く読める構成にしよう、との意図が窺えます。進化の奥深さ・面白さが感じられる一冊になっていると思います。

 生物多様性の変遷と種形成・絶滅の解説は、本書を読んでとくに考えさせられたところで、自分の進化に関する理解の曖昧さを改めて思い知らされました。大量絶滅についても、漠然とした理解でしかなかったのですが、本書を読んで、それぞれの大量絶滅の仕組み・要因の違いについて、多少なりとも理解が進んだと思います。現在、「第6の大量絶滅」が進行中ではないか、とも言われており、本書でも取り上げられていますが、現時点では過去の大量絶滅と比較して絶滅率がまだ低いとしても、絶滅危惧種を考慮に入れると、楽観視できる状況ではないようです。

 本書を読もうと思ったのは、人類の進化に関する理解を深めるためには、進化学をもっと知らねばならない、と思ったからで、期待通りに本書からは得るところが多かったと思います。本書は人類の進化についても1章を割いており、なかなか詳しく解説されています。原書の刊行は2013年なので、人類の進化についての解説で古くなっているところもありますし、進化学も進展の速い分野なので、人類の進化以外の解説でも古くなっているところがあるだろう、とは思います。しかし、進化についての基本的な概説書として、本書は当分の間、文句なしに推薦されるべき一冊だと言えるでしょう。


参考文献:
Zimmer C, and Emlen DJ.著(2016)、更科功・石川牧子・国友良樹訳『カラー図解 進化の教科書 第1巻 進化の歴史』(講談社、原書の刊行は2013年)

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