動物の速度の限界要因

 動物の速度の限界要因に関する研究(Hirt et al., 2017)が公表されました。チーターなどの中型動物は、より大きな動物と比較して筋肉が小さく筋繊維が少ないにも関わらず、陸上では最速です。ハヤブサやカジキなどの中型種がそうであるように、空中や水中でも同じ傾向が成立します。この研究は、全動物にわたって、ある動物が到達できる最高速度を最終的に制限するのは加速に要する時間である、ということを示す一般的理論モデルを構築しました。

 この研究は、加速の局面では筋肉が無酸素的に働く必要があり、そこで利用可能な蓄積エネルギー量がごく限られていることがその理由である と明らかにしました。大きな動物は小さな動物と比較して最高速度まで加速するのに長い時間を要するので、無酸素局面の加速時間が筋肉に回せるエネルギー量の限度を超えると、到達可能な最高速度は上限に達します。軟体動物からクジラまで、飛行動物も含む動物474種のデータとモデルのアウトプットを比較した結果、動物が中型の域を超えて大きくなると最高速度が急激に低下するという研究チームの予測には、良好な適合性が認められました。ただ、この研究は陸上・空中・水中いずれの動物にも同じようによく当てはまりますが、同等サイズの動物の運動能力の違いに関してはもう一段の説明が必要になる、とも指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。

動物の速度の限界が説明された

 地球上で最速の動物が最大の動物でない理由は、動物が最高速度に到達するのに要する時間の上限によって説明できるということを、今週のオンライン掲載論文が明らかにする。個体サイズを計測するだけで、その新しいモデルは、ショウジョウバエからシロナガスクジラまで、動物の速度の限界を正確に予測することができ、概して中型動物が最速である理由を説明する。

 チーターなどの中型動物は、大きな動物と比較して筋肉が小さく筋繊維が少ないにもかかわらず、陸上で最速である。ハヤブサやカジキなどの中型種にみられるように、空中や水中でも同じ傾向が成立する。

 Myriam Hirtたちは、全ての動物にわたり、ある動物が到達することができる最高速度を最終的に制限するのは加速に要する時間である、ということを示す一般的理論モデルを構築した。研究チームは、加速の局面では筋肉が無酸素的に働く必要があり、そこで利用可能な蓄積エネルギー量がごく限られていることがその理由であることを明らかにした。大きな動物は小さな動物と比較して最高速度まで加速するのに長い時間がかかるため、無酸素局面の加速時間が筋肉に回せるエネルギー量の限度を超えると、到達可能な最高速度は上限に達する。

 軟体動物からクジラまで、飛行動物も含む動物474種のデータとモデルのアウトプットを比較した結果、動物が中型の域を超えて大きくなると最高速度が急激に低下するという研究チームの予測には、良好な適合性が認められた。

 同時掲載のNews & Views記事では、Christofer ClementeとPeter Bishopが次のように述べている。「今回の発表のおもしろい点は、それが陸上、空中、水中、いずれの動物にも同じようによく当てはまることである。しかし、同等サイズの動物の運動能力の違いに関しては、もう一段の説明が必要である」。



参考文献:
Hirt MR. et al.(2017): A general scaling law reveals why the largest animals are not the fastest. Nature Ecology & Evolution, 1, 1116–1122.
http://dx.doi.org/10.1038/s41559-017-0241-4

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