絶滅したドードーの生活史

 これは9月6日分の記事として掲載しておきます。絶滅したドードーの生活史に関する研究(Angst et al., 2017)が公表されました。この研究は、モーリシャスのさまざまな化石産地から産出した22羽のドードーの22点の骨の微細構造を調べて、ドードーの繁殖行動と成長、換羽(羽の生え変わり)の習性に関する新たな手掛かりを得ました。研究対象となった骨試料のうちの数点は幼鳥のものです。その結果、ドードーの骨において広範なカルシウム再吸収が観察されましたが、これは換羽を示す証拠である可能性がある、と推測されています。また、換羽によって鳥類の外観が体色と羽の種類の点で著しく変化するため、さまざまな史料におけるドードーの記述に数多くの食い違いがあることの原因は換羽の習性ではないか、との見解も提示されています。

 これらの知見は、モーリシャスの現生鳥類の観察結果およびドードーに関する歴史的記述と一致しており、ドードーの繁殖期が雌の排卵とともに8月頃に始まり、孵化したヒナが急速に成長して南半球夏季とモーリシャスのサイクロン期(11~3月)の過酷な条件に耐えられる頑健な体形になる、と見解が提示されています。ドードーは3月頃に南半球夏季が終わると換羽が始まって翼部と尾部の羽が最初に生え変わり、7月末には換羽が完了して次の繁殖期に間に合うようになります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【生態学】ドードーの知られざる生活史

 絶滅したドードーの生活史を明らかにする新たな手掛かりを示した論文が、今週に掲載される。

 今回、Delphine Angstたちの研究グループは、モーリシャスのさまざまな化石産地から産出した22羽のドードーの22点の骨の微細構造を調べて、ドードーの繁殖行動と成長、換羽(羽の生え変わり)の習性に関する新たな手掛かりを得た。研究対象となった骨試料のうちの数点は幼鳥のもので、Angstたちは、ドードーが性的成熟に達するまで急速に成長し、それから骨格が成熟するまでには数年を要したという見解を示している。

 分析されたドードーの骨において広範なカルシウム再吸収が観察されたが、これが換羽を示す証拠である可能性があるとAngstたちは考えている。また、Angstたちは、換羽によって鳥類の外観が体色と羽の種類の点で著しく変化するため、いろいろな史料におけるドードーの記述に数多くの食い違いがあることの原因が換羽の習性だとする仮説を提起している。

 今回の研究による新知見は、モーリシャスの現生鳥類の観察結果とドードーの歴史的記述と一致しており、Angstたちは、この新知見に基づいて、ドードーの繁殖期が雌の排卵とともに8月頃に始まり、孵化したヒナが急速に成長して南半球夏季とモーリシャスのサイクロン期(11~3月)の過酷な条件に耐えられる頑健な体形になるという仮説を示している。南半球夏季が終わると(3月頃に)換羽が始まり翼部と尾部の羽が最初に生え変わり、7月末には換羽が完了して次の繁殖期に間に合うようになっているというのだ。



参考文献:
Angst D. et al.(2017): Bone histology sheds new light on the ecology of the dodo (Raphus cucullatus, Aves, Columbiformes). Scientific Reports, 7, 7993.
http://dx.doi.org/10.1038/s41598-017-08536-3

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