ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』692話~695話

692話「捜査に手を出すな!」7
 山さんが殉職して初めての放送となりますが、オープニングに山さんが登場せず、本当に山さんがいなくなったのだな、と思い知らされ、何とも寂しいものです。今回は山さんについてとくに言及はありませんでしたが、冒頭で山さんの机に花が置かれている場面が描かれました。部屋には誰もおらず、しんみりとした雰囲気でしたが、山さんの殉職はあっさりとしたものでしたから、これでよかったのではないか、と思います。話の方は、一係が覚醒剤取引容疑で貿易商の男性を逮捕したところから始まります。覚醒剤の取引相手の暴力団の思惑に、容疑者の妹と、かつてデュークに世話になった男性も関わってきて、喜劇的要素も入れつつ話が展開します。妹が警察や暴力団を出し抜こうとするオチは、ある程度予想できたとはいってもなかなか楽しめましたし、デューク無双的なアクションシーンもあり、娯楽作品としてまずまずの質ではないか、と思います。ただ、残念ながら、視聴率が低迷する末期において、新たに視聴者を獲得するほどの出来ではなかったでしょうか。


693話「わが子へ!」8
 相次いで犬が毒殺されます。ついには中学生の男子も毒殺されますが、トシさんは殺された男子の頭の傷に注目します。トシさんが捜査を進めると、殺された男子は虐めの主導者だったことが分かります。殺された男子の担任は虐めとの関係を必死に否定しますが、トシさんは虐められた男子の名前を聞き出し、男子生徒の家を訪ねます。しかし、男子生徒の父親は息子をトシさんと会わせようとはしません。トシさんの家庭事情も絡んで話が進み、本作ではたまにある子供の深刻な問題を扱った社会派的な重い話になっています。残念なのは、全盛期よりも視聴率が低迷するなかでの放送だったことでしょうか。


694話「出口のない迷路」9
 尾島和久という男性がアパートの階段から転落して負傷し、救急車で病院に搬送されます。その側には怪しげな男性がいました。尾島は救急車の中で、金貸しの男性に突き落とされたと主張していましたが、ドックとマイコンが病院に到着すると、自分で足を滑らせて落ちてしまった、と証言します。ドックは、尾島和久という名前に覚えがありました。ドックの学生時代の友人が書いた、尾島を主人公にした小説を読んだことがあるからでした。その小説の尾島は不運な男で、ドックは心配になって尾島の手術の結果を待つことにします。すると、ドックの懸念が的中し、尾島は簡単な膝の手術にも関わらず、出血多量で死亡します。ドックは、ほぼ同時に病院に搬送された、バイクに轢かれた血栓症の男性と間違えて、病院が尾島にアスピリンを投与してしまったのではないか、と推理します。ドックは、医療ミスによる保険金の支払いを金貸しが計画したのではないか、と考えて尾島の妻を問い質しますが、尾島の妻はあくまでも、夫が自分で足を滑らせて落ちたのだ、と証言し続けます。病院側で工作に関与したと考えられる看護師も毒殺され、捜査は行き詰まります。ドックは尾島の妻を調べ続け、尾島が娘との心中未遂の後、生き方を変えようとしたのだ、と気づいて尾島の妻に伝え、説得します。尾島の妻は夫の遺作となってしまい、入選がほぼ決定していた小説を読んで夫への想いを取り戻し、金貸しが尾島夫妻を脅迫していた、と証言します。

 謎解き要素があり、こちらもなかなか面白かったのですが、尾島夫妻の人間関係の機微と苦い結末は、最後に救いもあったものの、大人の話としてよかったと思います。本作も末期に入り、視聴率は低迷していましたが、最近視聴した話に関しては、脚本の出来は全体としてそんなに悪くないと思います。今回も含めてこの時期の話を少なくとも一度は視聴しているはずなのに、ほとんど忘れてしまったこともあって、新鮮な気持ちで楽しめています。まあ、10代前半の頃と40代半ばの今とでは、同じ作品でも感じ方が違う、ということでもあるとは思いますが。今回のような話をしっかりこなせるとは、ドックも末期にはすっかり中堅になっていた、ということなのかもしれません。


695話「赤いドレスの女」5
 拳銃密売事件を追うマイコンは、店で男性に追われていると訴える赤いドレスの女性と知り合います。マイコンと謎めいた赤いドレスの女性との関係を軸に話が展開しますが、この女性にマイコンが振り回され、未熟な若手刑事というマイコンのキャラが活かされ、やや喜劇調でもあります。この謎めいた女性の名前は野口美絵で、実は麻薬捜査官でした。かつて本作のセミレギュラーだった村岡房江と同じ役割なのですが、村岡房江への言及がなかったのは残念でした。話の方は、謎めいた野口の存在を活かしていますし、久々の女性麻薬捜査官ものなので、新鮮ではありました。ただ、全体的に盛り上がりに欠けた感はあります。

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この記事へのコメント

いち
2018年01月15日 19:45
こんばんは。私が初めて見た「太陽にほえろ!」のオープニングは、本編から抜粋されたフラッシュカット、ボスに続き若手刑事の激走を挟んで前が若手、後ろがベテラン、捜査を続ける部下と共に堂々と歩みを進めるボス!
あのメロディーに包まれた構成のすばらしさに未熟な子供の感覚ですら、完全に心を奪われました。以来、継続的な視聴が長年にわたりましたが、正直初めての衝撃を忘れかけていました。
山さん殉職後のオープニングはトシさん前半へ移動・ブルース激走少し長め・山さんが抜けた部分はパトカーで、
なるほどそうきたか。
うまくマイナーチェンジできたこともそうですが、「太陽にほえろ!」のオープンニングのクオリティーは、そもそも高いものだったということを想い出させてくれました。
2018年01月15日 20:47
オープンニングのクオリティーは確かに高いと思います。人気の一因だったでしょうね。

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