熱帯雨林では高い木の方が旱魃耐性は高い

 熱帯雨林における旱魃耐性と樹高の関係についての研究(Giardina et al., 2018)が公表されました。アマゾンのジャングルでは、全球規模の気候変動の結果として起こり得る厳しい旱魃が、広範な森林の喪失をもたらす可能性があります。しかし、さまざまな木の属性(高さなど)が、森林の旱魃への応答にどのような役割を果たすのか、まだよく分かっていません。この研究は、アマゾンの森林において背の高い木と低い木の光合成が、旱魃に対してどの程度影響を受けやすいか、分析しました。

 その結果、30メートルを越す高い木は、20メートル以下の木よりも旱魃に対して3倍影響を受けにくい、と明らかになりました。背の高い木はより広範囲に根を張るため、乾期の間も深部の湿潤な土壌に到達できます。しかし、背の高い木は大気の乾燥にはより影響を受けやすくなります。背の高い木の葉は常に水分の含有量が低いため、光合成は土壌の旱魃には適応しやすいものの、大気中の水分の変動には影響を受けやすくなります。この研究は、光合成が気候変動に対応できるよう調節するうえで、森林の高さは降水量と同程度に重要な役割を果たす可能性がある、と結論づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


アマゾンの森林は乾燥が続くと背が高い方が有利

 熱帯雨林では背の高い木の方が干ばつに対してより耐性があることを明らかにした論文が、今週掲載される。

 アマゾンのジャングルでは、全球規模の気候変動の結果として起こり得る厳しい干ばつが、広範な森林の喪失をもたらす可能性がある。けれども、さまざまな木の属性(木の高さなど)が、森林の干ばつに対する応答にどのような役割を果たすかはよく分かっていない。

 Pierre Gentineたちは、アマゾンの森林において背の高い木と低い木の光合成が、干ばつに対してどの程度影響を受けやすいかを分析した。その結果、30メートルを越す高い木は、20メートル以下の木よりも干ばつに対して3倍影響を受けにくいことが明らかになった。背の高い木はより広範囲に根を張るため、乾期の間も深部の湿潤な土壌に到達することができる。しかし、背の高い木は大気の乾燥にはより影響を受けやすい。背の高い木の葉は、常に水分の含有量が低いため、光合成は土壌の干ばつには適応しやすいが、大気中の水分の変動には影響を受けやすくなる。

 Gentineたちは、光合成が気候変動に対応できるように調節する上で、森林の高さは降水量と同程度に重要な役割を果たす可能性があると結論付けている。



参考文献:
Giardina F. et al.(2018): Tall Amazonian forests are less sensitive to precipitation variability. Nature Geoscience, 11, 6, 405–409.
https://dx.doi.org/10.1038/s41561-018-0133-5

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