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zoom RSS 認知機能低下とリンパ管の機能不全との関連

<<   作成日時 : 2018/08/09 17:03   >>

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 認知機能低下とリンパ管の機能不全との関連についての研究(Mesquita et al., 2018)が公表されました。加齢は多くの神経学的病変の主要なリスク因子の一つですが、その機構については明らかになっていません。リンパ管は、体組織が生み出す細胞残屑や有害分子などの老廃物を除去する作業を行なっています。髄膜リンパ管は、中枢神経系を取り囲む膜の内部に位置し、高分子を排出するリンパ管のネットワークです。髄膜内のリンパ管は、齧歯類・非ヒト霊長類・ヒトで見つかっていますが、中枢神経系における髄膜リンパ管の機能と中枢神経系の病変における髄膜リンパ管の役割については、解明が進んでいません。

 この研究は、中枢神経系の脳脊髄液と間質液に含まれる高分子が髄膜リンパ管を通って頚部リンパ節へ排出される、と明らかにしました。また、髄膜リンパ管の機能不全を起こした若い成体マウスに学習障害と記憶障害が見られることも明らかになりました。この研究は、老齢マウスの髄膜リンパ管の機能に見られる著しい不全が、老化に伴う認知機能低下の諸側面の一部と関係している可能性を指摘しています。また、血管内皮細胞増殖因子Cを投与された老齢マウスにおいて、脳脊髄液と間質液に含まれる高分子が髄膜リンパ管から排出・除去される能力が改善され、その結果、学習と記憶の成績が向上しました。

 さらに、アルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルにおいては、髄膜リンパ管の機能不全によって髄膜におけるアミロイド沈着が促進されており、これはヒトの髄膜の病変に極めてよく似ていました。この研究は、髄膜リンパ管の機能を増強することが、老化に伴う神経疾患の予防または発症遅延のための有望な治療標的だろう、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。


【神経科学】マウスの認知機能低下にリンパ管の機能不全が関連している

 髄膜リンパ管は、中枢神経系を取り囲む膜の内部に位置し、高分子を排出するリンパ管のネットワークだ。この髄膜リンパ管の機能不全が、アルツハイマー病の症状と老化に伴う認知機能低下の悪化要因と考えられることがマウスの研究から明らかになったことを報告する論文が、今週発表される。

 髄膜内のリンパ管は、齧歯類、非ヒト霊長類、およびヒトで見つかっているが、中枢神経系における髄膜リンパ管の機能と中枢神経系の病変における髄膜リンパ管の役割については、解明が進んでいない。

 今回、Jonathan Kipnisたちの研究グループは、中枢神経系の脳脊髄液と間質液に含まれる高分子が髄膜リンパ管を通って頚部リンパ節へ排出されることを明らかにした。また、髄膜リンパ管の機能不全を起こした若い成体マウスに学習障害と記憶障害を見いだした。Kipnisたちは、老齢マウスの髄膜リンパ管の機能に著しい不全が認められ、これが、老化に伴う認知機能低下の諸側面の一部と関係している可能性を指摘している。また、老齢マウスに血管内皮細胞増殖因子Cを投与したところ、脳脊髄液と間質液に含まれる高分子が髄膜リンパ管から排出・除去される能力が改善され、その結果、学習と記憶の成績が向上した。

 さらに、アルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルにおいては、髄膜リンパ管の機能不全によって髄膜におけるアミロイド沈着が促進されており、これはヒトの髄膜の病変に極めてよく似ていた。Kipnisたちは、髄膜リンパ管の機能を増強することが、老化に伴う神経疾患の予防または発症遅延のための有望な治療標的だと考えている。


アルツハイマー病:加齢とアルツハイマー病における髄膜リンパ管の機能的側面

Cover Story:脳からの排液:髄膜リンパ管による脳脊髄液からの老廃物除去の障害が認知機能の低下と関連付けられた

 リンパ管は、体組織が生み出す細胞残屑や有害分子などの老廃物を除去する作業を行っている。J Kipnisたちは今回、脳もこうしたシステムを使っていて、脳脊髄液中の巨大分子老廃物を移動させて、髄膜(脳を包む膜)にあるリンパ管を通して排出することを明らかにしている。彼らは、正常マウスでは、髄膜リンパ系が損なわれると、認識機能が低下することを見いだした。また、加齢によってリンパ系が損傷し、リンパ系の機能を修復すると、「脳の老廃物除去能」が回復し、記憶力が向上することも示された。さらに、アルツハイマー病マウスモデルを用いて、髄膜リンパ管が破壊されると、アミロイドβタンパク質が排出されにくくなって脳に蓄積され、アミロイド病変が悪化することも明らかになった。著者たちは、髄膜リンパ系の衰えを標的にすれば、加齢に関連する認知機能障害と闘うのに役立つ有用な治療手段となる可能性があると述べている。



参考文献:
Mesquita SD. et al.(2018): Functional aspects of meningeal lymphatics in ageing and Alzheimer’s disease. Nature, 560, 7717, 185–191.
https://dx.doi.org/10.1038/s41586-018-0368-8

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