ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』61話・63話~67話

61話「別れは白いハンカチで」5
 麻薬捜査官である村岡房江の再登場となります。ボスと村岡との会話で、マカロニに言及されていたのは、マカロニの死を改めて思い知らされたという点で、寂しさもありました。話の方は村岡房江シリーズの定番で、村岡を麻薬捜査官と知らない若手刑事が村岡を不審に思いつつ関わりを持ち、村岡が自分の捜査を犠牲にしても危機に陥った若手刑事を救う、という展開です。まあ、村岡はたまにしか登場しないので、見飽きるというほどではありませんが。マカロニ・ジーパン・テキサス・ボンと、歴代の若手刑事の教育係的役割を担った村岡ですが、ロッキー以降は登場しませんでした。正直なところ、鮫島勘五郎とは異なり、そこまで楽しみなセミレギュラーではないのですが、やや残念ではあります。


63話「大都会の追跡」8
 出所してすぐに単独で銀行強盗事を起こした男性と、かつての恋人で現在は別人の妻となっている女性との関係を中心に話が展開します。安定して幸せな生活を捨ててまで、犯罪者である過去の恋人と駆け落ちしようとする女性の覚悟はなかなか見ごたえがありました。男性の方はもう結婚したかつての恋人を忘れているのではないか、女性は馬鹿な選択をした、と若いジーパンが疑問を抱くのにたいして、山さんはもう若くはない男性の情念と男女の機微を説きます。山さんに限らず、ボスや長さんは、ジーパンにとって刑事としてだけではなく、人生の師にもなっている、ということなのでしょう。一係と逃亡を企てる男女との駆け引きに暴力団も絡んできて、緊張感が持続してなかなか楽しめました。青春ドラマ的性格の強い初期ですが、今回は大人向けの話といった感じです。多様な話があったことは、本作の人気と長期放送を支えていたように思います。


64話「子供の宝・大人の夢」7
 玩具会社をめぐる陰謀が描かれます。当初は製品事故を起こしたとして世論から糾弾された会社が実は被害側で、かつて会社創業時にその社長の共同経営者だった男性が、自らの利益のために陰謀を企てていた、という話です。陰謀に巻き込まれた玩具会社の社長は大人物といった感じで、ボスはこの社長を信じられると言って、捜査を進めます。この玩具会社の社長を演じたのは千秋実氏で、視聴者からまだ確たる支持を得ていない、との懸念もあったからなのか、初期は後期と比較して、今回のように大物ゲストの出演が多いように思います。久美ちゃんが珍しく捜査に直接深く関わったという点でも楽しめました。


65話「マカロニを殺したやつ」10
 ジーパン登場から3ヶ月近く経過しましたが、マカロニ殺害犯はこの時点ではまだ逮捕されていませんでした。今回はマカロニ殉職(関連記事)の後日譚ですが、山さんの執念、一係の刑事たちの仲間への強い想い、序盤に登場したチンピラが終盤で重要な役割を担ったこと、マカロニを知らないジーパンの疎外感と長さんの叱咤激励、マカロニ殺害犯が偶然殺されてしまったという苦い結末と、その場に到着した山さんの激昂など、話の構造もたいへんよくできており、殉職刑事の後日譚としては文句なしに最高だと思います。マカロニ殺害犯についてとくに描かれる予定はなかったものの、視聴者の要望により制作された、との話をどこかで読んだ記憶がありますが、私も本放送時に視聴していたら、解決編を制作してほしい、と強く願ったことでしょう。


66話「生きかえった白骨美人」7
 女性を連続して絞殺した犯人が逮捕されますが、真犯人は自分だと、田口という52歳の男性が自首してきます。ジーパンは真面目に男性を取り調べますが、山さんやゴリさんには、田口がよく真犯人だと偽って自首してくることを知っていました。田口は、3年前に可愛がっていた娘が失踪してからおかしくなって記憶喪失となり、若い女性の死体が発見されるたびに、犯人だと自首するようになりました。そんな中、3年ほど前に殺された女性の白骨化した身元不明の遺体が発見されます。今回は、この遺骸から生前の姿を復元した科学警察研究所技師の川上という女性が、重要人物として登場します。一係と川上のやり取りは喜劇調で、なかなか楽しめました。発見された女性遺骸の身元が田口の娘とすぐ明らかになり、有力容疑者もすぐに分かりましたが、一係が捜査を進めていく過程と容疑者に仕掛けた罠はなかなか面白くなっていました。久美ちゃんが目立っていたことも、ボスが最後に命の尊さを田口に説いた場面もよかった、と思います。


67話「オリの中の刑事」10
 鮫島勘五郎シリーズの第2回となります。今回は、友人の妻の毒殺未遂容疑で殿下が逮捕され、一係と鮫島が殿下の容疑を晴らしていくという話となります。鮫島が城北署の方針と殿下への恩義との間で苦しむ描写は、見ごたえがありました。一係の刑事が容疑者になる、という話は他にもありますが、さすがにそうはないので、新鮮さはあります。こうした苦難に遭う刑事として、殿下は適任だと思います。この頃には各刑事のキャラが固まってきたということでもあるのでしょう。話の方は、夫婦・友人関係の機微が描かれ、謎解き要素もあってなかなか楽しめました。鮫島勘五郎シリーズで殿下が主演だったのは最初の2回だけなのですが、鮫島と殿下の間に深い信頼関係が築かれたことに納得できるような話になっていたと思います。これ以降も、鮫島が殿下を信頼しているような場面が描かれ、長期シリーズの長所が上手く活かされているな、とたびたび思ったものです。


 これで、欠番を除いて、PART2も含めた『太陽にほえろ!』全話の感想を当ブログで述べたことになります。ファミリー劇場ではジーパン編の再放送が続くので、今後も視聴していきます。再視聴時に以前とは違った感想を抱くことも珍しくないので、大きく変わったものがあれば、当ブログで取り上げるかもしれませんが、当分は、『太陽にほえろ!』に関する記事を掲載することはなさそうです。