最古の四肢類の形態
最古の四肢類の形態に関する研究(Beznosov et al., 2019)が公表されました。デボン紀の四肢類における既知の多様性はこの数十年間で著しく増大していますが、それらの化石記録の大半は、全容の分からないわずかな断片で構成されています。デボン紀の四肢類の形態学的および古生物学的な特徴を解釈するための枠組みは、イクチオステガ(Ichthyostega)とアカントステガ(Acanthostega)のほぼ完全な化石が中心で、より完全性が低く部分的に復元可能なヴェンタステガ(Ventastega)やチュレルペトン(Tulerpeton)の断片化石は補助的な役割を担っています。これら4属はいずれも年代が後期ファメニアン期(約3億6500万~3億5900万年前)と推定されており、これは既知最古の四肢類の断片化石よりも1000万年新しく、既知最古の四肢類の足跡化石より3000万年近く新しい、と推定されています。
本論文は、ロシアで発見され、年代がファメニアン期の最初期(約3億7200万年前)と推定された四肢類の新属新種(Parmastega aelidae)について報告しています。この標本は、頭蓋骨および肩帯の復元を可能とする三次元的な化石片から構成されています。この新属新種の隆起した眼窩・側線管・わずかに骨化した頭蓋後方の骨格は、おもに水生で、水面を遊泳する動物だった、と示唆しています。ベイズ法および節約法に基づく系統発生学的解析では、得られた系統樹の大半でパラマステガ類が他の全ての四肢類の姉妹群に位置づけられました。
参考文献:
Beznosov PA. et al.(2019): Morphology of the earliest reconstructable tetrapod Parmastega aelidae. Nature, 574, 7779, 527–531.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1636-y
本論文は、ロシアで発見され、年代がファメニアン期の最初期(約3億7200万年前)と推定された四肢類の新属新種(Parmastega aelidae)について報告しています。この標本は、頭蓋骨および肩帯の復元を可能とする三次元的な化石片から構成されています。この新属新種の隆起した眼窩・側線管・わずかに骨化した頭蓋後方の骨格は、おもに水生で、水面を遊泳する動物だった、と示唆しています。ベイズ法および節約法に基づく系統発生学的解析では、得られた系統樹の大半でパラマステガ類が他の全ての四肢類の姉妹群に位置づけられました。
参考文献:
Beznosov PA. et al.(2019): Morphology of the earliest reconstructable tetrapod Parmastega aelidae. Nature, 574, 7779, 527–531.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1636-y