人間の歌の普遍的パターン

 人間の歌の普遍的パターンに関する研究(Mehr et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。音楽は人類共通の言語だと昔から言われてきましたが、音楽に意味のある普遍性が存在するかどうかは不明で、多くの音楽学者はこの見解にはたいへん懐疑的です。本論文は、人間の歌(ボーカル・ミュージック)の普遍性と多様性を明らかにするため、現代的なデータサイエンスと世界中の文化の音楽録音および民族学的記録とを融合させました。本論文は、315の文化における、1世紀以上に及ぶ人類学および民族音楽学の研究結果を異文化比較分析し、踊り・癒し・恋・子守の歌について、その背景に関する詳細な説明も添えた録音目録を作成しました。

 本論文は形式性・覚醒度・宗教性に基づいて各録音を比較し、音楽の普遍性が浮き彫りになった。本論文は、音楽が調査した全社会に存在し、予想通り、社会的な機能や背景(踊りや恋愛など)に関連していた、と明らかにしました。世界中のどの社会でも、歌の社会的機能は音楽的特徴から予測できる、と本論文は指摘しています。さらに本論文は、音楽の背景の多様性が文化間よりも文化内で大きいことも明らかにしました。人間の音楽には進化的背景があり、言語の進化とも関連しているかもしれないという点でも、今後の研究の進展が期待されます。


参考文献:
Mehr SA. et al.(2019): Universality and diversity in human song. Science, 366, 6468, eaax0868.
https://doi.org/10.1126/science.aax0868

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