8億年前に月に衝突した小型小惑星

 8億年前に月に衝突した小型小惑星に関する研究(Terada et al., 2020)が公表されました。地球上での侵食過程と地表更新過程は、古代の流星物質(小型小惑星)の衝突に関する研究と、その年代決定を困難にしています。これに対して、こうした流星物質衝突の影響を解明するためには、地球よりも風化と浸食の影響が大幅に少ない月のクレーターを調べるという方法もあります。この研究は、月周回衛星「かぐや」の観測データを用いて、月面にある直径20km超のクレーター59個の形成年代を推定しました。

 その結果、コペルニクスクレーターを含む8個のクレーターは、同時に形成されたものと明らかになりました。この研究は、コペルニクスクレーターから放出された物質の放射年代測定と、いくつかのアポロ計画における衝撃ガラス小球(隕石の衝突によって形成されたガラス状の玉)から得られたデータに基づいて、月では約8億年前に小惑星が降り注いだ、と結論づけました。また、この研究は、月で起こった小惑星のシャワーに似た現象が地球でも起こったに違いないと推測し、衝突クレーターのスケーリング則と衝突確率を用いて、クライオジェニアン紀(約7億2000万~6億3500万年前)の直前に、がチクシュルーブ衝突の原因となった隕石の約30~60倍に相当する、質量4京~5京kgの小惑星が地球に衝突した、という見解を提示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


惑星科学:8億年前の月に降り注いだ小惑星のシャワー

 月では、今から約8億年前に、流星物質(小型の小惑星)の爆撃があったことを示唆する論文が、Nature Communications に掲載される。この論文では、この衝突確率に基づいて、地球には、クライオジェニアン紀(約7億2000万~6億3500万年前)の直前に流星物質が衝突し、その総質量がチクシュルーブ衝突の原因となった隕石の約30~60倍だったという考えが提示されている。

 地球上での侵食過程と地表更新過程は、古代の流星物質の衝突を研究してその年代を決定することを困難にしている。これに対し、こうした流星物質衝突の影響を解明するためには月のクレーターを調べるという別の方法がある。月は、地球よりも風化と浸食の影響が大幅に少ないためだ。

 今回、大阪大学の寺田健太郎(てらだ・けんたろう)教授たちの研究チームは、月周回衛星「かぐや」の観測データを用いて、月面にある直径20キロメートル超のクレーター59個の形成年代を推定した。その結果、コペルニクスクレーターを含む8個のクレーターは、同時に形成されたものであることが分かった。寺田教授たちは、コペルニクスクレーターから放出された物質の放射年代測定と、いくつかのアポロ計画における衝撃ガラス小球(隕石の衝突によって形成されたガラス状の玉)から得られたデータに基づいて、月では約8億年前に小惑星が降り注いだと結論付けた。また、寺田教授たちは、月で起こった小惑星のシャワーに似た現象が地球でも起こったに違いないと推測し、衝突クレーターのスケーリング則と衝突確率を用いて、質量が4京~5京キログラムの小惑星が地球に衝突したという見解を示している。



参考文献:
Terada K, Morota T, and Kato M.(2020): Asteroid shower on the Earth-Moon system immediately before the Cryogenian period revealed by KAGUYA. Nature Communications, 11, 3453.
https://doi.org/10.1038/s41467-020-17115-6

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