大河ドラマ『麒麟がくる』第40回「松永久秀の平蜘蛛」

 織田と本願寺との戦いは、途中に講和期間も挟みつつ、1570年(西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)以来続いていました。義昭が都から追放された後に織田信長に仕えるようになった松永久秀も本願寺との戦いに参陣していましたが、1577年、突如陣を引き払います。伊呂波太夫に呼ばれた明智光秀(十兵衛)は三条西実澄と会い、正親町天皇が光秀に会いたいと言っている、と聞かされます。光秀が伊呂波太夫のいる邸宅に入ると、松永久秀がいました。少し前に、羽柴秀吉が柴田勝家と対立して勝手に退陣し、信長は激怒して秀吉に切腹を命じましたが、家臣団の執り成しで何とか秀吉は赦されました。この大騒ぎを知っていながらなぜ勝手に退陣したのだ、と光秀は久秀を詰問しますが、久秀は、大和守護の原田(塙)直政が本願寺との戦いで討ち死にした後、自分が大和守護に任じられるかと思ったら、筋目の良い筒井順慶が任じられたことに不満がある、と答えます。久秀は、信長は能力のある人物を重用すると言われているが、そうではない、と指摘します。上杉謙信との戦いでは無能なのに譜代の家柄の柴田勝家を総大将に起用し、大和守護に筒井順慶を起用したのも同様だ、というわけです。久秀は大事にしている平蜘蛛の茶釜を信長に渡したくないが、その状況に追い込まれるようならば光秀に渡したい、と言います。光秀も久秀も互いには戦いたくないと考えており、光秀は信長に執り成すと言いますが、久秀は、自分にも意地がある、と答えます。久秀は平蜘蛛を伊呂波太夫に預け、自分が勝てば平蜘蛛を取り戻す、負ければ光秀に与えるよう、指示します。

 久秀は上杉謙信と呼応して決起し、信長の嫡男の信忠を総大将として織田軍が攻めかかり、光秀も参陣します。信長は、久秀が降伏してきたら、茶道具を全て差し出せば赦す、と家臣団に命じます。信長はとくに平蜘蛛に執着していました。しかし、久秀は敗北が決定的になっても降伏せず、茶道具を全て焼くよう家臣団に命じて切腹します。光秀は安土城を訪れ、帰蝶から信長が最近よく泣く、と聞かされます。帰蝶は、信長が高い地位に昇って精神的に不安定になっているのではないか、と案じます。帰蝶は最近の不安定な精神状態の信長との対応に疲れており、美濃に戻ることにします。久秀の茶道具を無傷で回収できなかった佐久間信盛に不満を抱く信長は光秀に、見つからなかった平蜘蛛が誰に預けられているのか知らないか、と尋ねますが、光秀は知らない、と答えます。しかし、信長は忍びの者を放っており、光秀が久秀と密会したことも知っていました。光秀は信長に詰問されても、平蜘蛛の行方は知らない、と答えます。信長は、帰蝶や正親町天皇など、喜ばせたいと思っている相手が自分から離れていくことに不満を抱いていることを光秀に打ち明けます。光秀が退出した後、信長は、光秀が自分に初めて嘘をついたことに激怒し、秀吉を呼びます。どうやら、信長は秀吉から平蜘蛛の在りかについて報告を受けていたようです。光秀は坂本城に戻った後、伊呂波太夫から平蜘蛛を受け取ります。光秀は、なぜか信長に平蜘蛛の在りかを言えなかったが、これは久秀の罠だった、と言って狂ったように笑います。久秀は伊呂波太夫に、平蜘蛛の茶釜ほどの名器を持つには覚悟がいるが、自分はそれを失ってしまった、と光秀に伝えるよう、指示していました。光秀は伊呂波太夫に、正親町天皇と会うよう、仲介を依頼します。

 今回は松永久秀の最期とそれをめぐっての織田家中の波紋が描かれ、本作では最も見どころのある回になったように思います。久秀は初回に登場し、本作では重要人物だったので、その最期と心理がしっかりと描かれたのはよかった、と思います。残り4回となり、光秀がなぜ信長に謀反を起こしたのか、しっかりと描かれるのか、注目していましたが、三淵藤英と松永久秀の最期を見て、両者からその遺志を聞かされたことが、光秀の決断に大きな影響を与えた、という話になりそうです。信長は能力のある人物を出自に関わらず積極的に登用した革新的な人物だった、との通俗的な信長像は根強いように思いますが、今回の久秀の指摘は、信長も同時代の社会規範の中で行動した大名だった、という近年の歴史学での知見を踏まえたものになっており、よかったと思います。また、光秀は正親町天皇の求めに応じて拝謁する決意を固めますが、正親町天皇も光秀の決断に大きな影響を与えた、という話になるのでしょうか。次回、光秀は正親町天皇に拝謁するので、そこでどのような会話がなされるのか、注目されます。

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