『クローズアップ現代』「アニメを旅する若者たち “聖地巡礼”の舞台裏」

 昨日、帰宅して片づけなどをしながらNHKの午後7時からのニュースを見て、そのまま『クローズアップ現代』を見たところ、「アニメを旅する若者たち “聖地巡礼”の舞台裏」と題して、アニメの舞台になった地域での経済効果が取り上げられていました。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3171

 私はアニメに疎いので、最近のアニメについてはまったくと言ってよいほど知らないのですが、近年のアニメでは、制作環境の悪化により経費削減が厳しく求められるようになり、架空の町を舞台とするのではなく、実在する町並みを舞台として忠実に再現した作品が多くなっているそうで(デジタル機器で撮影した画像データをアニメの画像に処理するほうが、同じように丁寧な描写でも、架空の町を最初から作り上げるよりも容易なのでしょう)、そうした舞台となった町がアニメファンの間で「聖地」となり、「聖地巡礼」により経済効果が生まれている、とのことです。

 この経済効果を当て込んで、アニメの制作会社に積極的に働きかけ、地元の宣伝になるような演出・脚本にするよう要請する地元住民がいることも紹介されました。最近のアニメに関心のない私が昨日の『クローズアップ現代』に興味を持ったのは、これが大河ドラマの問題点と似た構図だと思ったからです。番組でも、こうした「聖地巡礼」が『ローマの休日』など昔からある事象であることや、やり過ぎると逆効果ではないか、というアニメファンの意見も取り上げられていましたが、確かに、地元住民の声が強くなり過ぎると、アニメ作品の質自体を低下させることになりかねないのではないか、とも思います。

 大河ドラマが舞台となる地域にとって大きな経済効果をもたらすことはよく知られており、それ故に、複数の自治体が熱心に大河ドラマの誘致活動を行なっています。その結果として、「大河ドラマ利権」とでも言うべきものがかなり巨大な規模になっているように思います。NHKも、この点を意識してということもあるでしょうし、受信料不払い運動が広まっても困るということなのか、地元の英雄を悪く描かないでほしい、などといった地元の要望に配慮することがあるように思います。その結果、たとえば2009年放送の『天地人』では、私も含めて多くの人が登場を予想したであろう最上義光が登場しませんでした。アニメにしても大河ドラマにしても、舞台となる地域との密着には良いこともありますが、それが行き過ぎると、作品の質を低下させることにもなりかねず、適度な距離感を保つのが必要なのだろう、と思います。

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