ヒトのシグナル伝達を模倣する微生物

 これは9月9日分の記事として掲載しておきます。ヒトのシグナル伝達を模倣する微生物に関する研究(Cohen et al., 2017)が公表されました。微生物相が産生する代謝産物が、ヒトの生理機能に何らかの機能を果たしたり影響を及ぼしたりしていることが、次第に明らかになってきています。この研究は、腸内細菌が産生するN-アシルアミドが、宿主のGPCR受容体と相互作用することを明らかにしています。マウスモデルおよび細胞を用いた解析により、これらの細菌代謝産物がGPR119のアゴニストとして働き、マウスにおいて代謝ホルモンおよびグルコース恒常性を調節する可能性があることが分かりました。これらの知見は、微生物相由来のリガンドが真核生物のシグナル伝達分子を模倣できることを示唆しており、将来的にはこうした模倣を治療介入に利用できる可能性がある、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


微生物学:共生細菌はヒトのシグナル伝達分子を模倣するGPCRリガンドを作る

微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する

 微生物相が産生する代謝産物が、ヒトの生理機能に何らかの機能を果たしたり影響を及ぼしたりしていることが、次第に分かってきている。今回S Bradyたちは、腸内細菌が産生するN-アシルアミドが、宿主のGPCR受容体と相互作用することを明らかにしている。マウスモデルおよび細胞を用いた解析によって、これらの細菌代謝産物がGPR119のアゴニストとして働くこと、そして、マウスにおいて代謝ホルモンおよびグルコース恒常性を調節する可能性があることが分かった。これらの知見は、微生物相由来のリガンドが真核生物のシグナル伝達分子を模倣できることを示唆しており、将来的にはこうした模倣を治療介入に利用できる可能性がある。



参考文献:
Cohen LJ. et al.(2017): Commensal bacteria make GPCR ligands that mimic human signalling molecules. Nature, 549, 7670, 48–53.
http://dx.doi.org/10.1038/nature23874

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