テーマ:自然科学

中生代哺乳類の社会性

 中生代哺乳類の社会性に関する研究(Weaver et al., 2021)が公表されました。現在の有胎盤哺乳類には社会性を有するものが多いものの、産卵性哺乳類(単孔類)と有袋哺乳類は相対的に社会性を欠いていることから、哺乳類の祖先は約6600万年前に恐竜が絶滅するまで単独性の生活を送っていた、と考えられてきました。この研究は、アメリカ…
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シクリッド類の大規模な適応放散の原動力と動態

 シクリッド類の大規模な適応放散の原動力と動態に関する研究(Ronco et al., 2021)が公表されました。適応放散は、生命における生態学的・形態的な多様性の大半の起源と考えられています。適応放散がどのように進行し、何がその規模を決定付けているのかは、多くの場合明らかにされていなません。本論文は、タンザニア西部に位置するタン…
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進化崩壊時計により計測された種分化と絶滅の影響

 進化崩壊時計により計測された種分化と絶滅の影響に関する研究(Cuthill et al., 2020)が公表されました。破壊的な大量絶滅が創造的な進化的放散を可能にするという仮説(創造的破壊説)は、大進化の古典的概念の中心となっています。しかし、絶滅と放散が種の共存に及ぼす相対的な影響については、顕生代全体にわたって直接定量的に比較さ…
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翼竜類の起源につながる恐竜祖先群

 翼竜類の起源につながる恐竜祖先群についての研究(Ezcurra et al., 2020)が公表されました。翼竜類は動力飛行(羽ばたき飛行)を進化させた最初の脊椎動物で、中生代(約2億5200万~6600万年前)の陸上生態系における主要な進化的放散の一つを構成していましたが、その起源は19世紀以来、古生物学上の未解決の謎であり続けてい…
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後期白亜紀の独特な嘴の鳥類

 後期白亜紀の独特な嘴の鳥類に関する研究(O’Connor et al., 2020)が公表されました。中生代(約2億5000万~6500万年前)の鳥類では、サイズや飛行への適応や羽毛の構成に著しい多様性が認められますが、嘴の形状と発達は比較的保存されたパターンを示しています。新鳥亜綱(すなわちクラウン群)の鳥類にも顔の発達への制約は見…
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ワタリガラスの認知パフォーマンス

 ワタリガラスの認知パフォーマンスに関する研究(Pika et al., 2020)が公表されました。この研究は、人工飼育したワタリガラス(計8羽)を対象として、生後4・8・12・16ヶ月に一連の試験を実施し、認知技能を検証しました。認知技能の検査項目は、空間記憶、対象物の永続性(対象物が見えなくなっても存在し続けていると理解しているこ…
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サンゴ白化の回復と関係する藻類の入れ替え

 サンゴ白化の回復と関係する藻類の入れ替えに関する研究(Claar et al., 2020)が公表されました。気候変動のために海洋熱波の発生頻度が上昇しており、世界のサンゴ礁にとって深刻な脅威となっています。温暖化によりサンゴは、その組織内に生息していて栄養を供給している共生藻類を放出してしまいます。これが白化を引き起こし、サンゴは飢…
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同所的種分化の過程におけるゲノム分岐

 同所的種分化の過程におけるゲノム分岐についての研究(Kautt et al., 2020)が公表されました。単一種における「明らかに識別できる変種」から「明確に確立された種」への移行、とくに遺伝子流動に対する地理的障壁がない場合の移行(同所的種分化)は、ダーウィンの時代から進化生物学における謎でした。ゲノム規模での分化は種分化の特徴で…
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カンブリア紀前期の真節足動物

 カンブリア紀前期の真節足動物エピに関する研究(Zeng et al., 2020)が公表されました。真節足動物類の初期進化の解明は、後生動物の進化における最大の難問の一つです。カンブリア紀(約5億4100万年~4億8500万年前)のきわめて保存状態が良好な化石の数々から、この進化過程の解明に重要となる古生物学的データが得られており、系…
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渡りをする鳥類と哺乳類の生活史戦略

 渡りをする鳥類と哺乳類の生活史戦略に関する研究(Soriano-Redondo et al., 2020)が公表されました。渡りには多大なコストがかかるにも関わらず、毎年、数十億匹の動物が渡りをします。しかし、渡りをする動物種としない動物種で、生活史戦略(寿命や成長速度や出生率など)にどのような違いがあるのかは、明らかになっていません…
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避難させたカメの生存可能性と関連するゲノム多様性

 避難させたカメの生存可能性とゲノム多様性に関する研究(Scott et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。ヒトの活動や気候変動のために、記録的に多くの生物種が絶滅の危機にさらされており、第六の大量絶滅が進行中とも言われる現在、世界的な課題として多数の保護の取り組みが行なわれています。絶滅に瀕している生物…
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生体鉱物から構成される被甲を持つ昆虫

 生体鉱物から構成される被甲を持つ昆虫に関する研究(Li et al., 2020)が報道されました。生体鉱物から構成される骨格は、5億5000万年以上前に出現しました。この種の被甲は、ロブスターなど甲殻類や他の海洋動物で観察されていますが、昆虫では見つかっていませんでした。この研究は、パナマハキリアリ(Acromyrmex echin…
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マウスの母性行動に必要な聴覚皮質の生得的機構と可塑性機構

 マウスの母性行動に必要な聴覚皮質の生得的機構と可塑性機構に関する研究(Schiavo et al., 2020)が公表されました。幼体の鳴き声は、親に強い応答を呼び起こします。このように動物の親個体が新生仔の発声に敏感なのは、生得的なものなのか、それとも仔の保護のために声の合図を学習したものか、よく分かっていません。マウスでは、仔の保…
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翼竜類の食性

 翼竜類の食性に関する研究(Bestwick et al., 2020)が公表されました。食物を噛んだ時、食物に歯型が残るのと同様に歯にも跡が残ります。歯に残る跡は、食物によって異なるため、こうした跡を用いて、さまざまな動物の食生活を推測できます。この研究は、17属のさまざまな翼竜の歯の化石に残されたマイクロメートル以下の跡のパターンを…
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翼竜類の飛行効率

 翼竜類の飛行効率に関する研究(Venditti et al., 2020)が公表されました。生物多様性の長期的な蓄積の過程では、生物による新たな生態学的機会の利用を可能とする、大規模な進化的移行が繰り返し起きてきました。1億5000万年以上にわたって空を支配し、白亜紀の終わり(約6500万年前)に非鳥類型恐竜と共に絶滅した中生代の飛行…
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爆発的な適応放散の生態学的・ゲノム的基盤

 爆発的な適応放散の生態学的・ゲノム的基盤に関する研究(McGee et al., 2020)が公表されました。種分化の速度は系統間で著しく異なり、新たな適応放散の中で何が種分化事象を次々に駆動しているのか、ということについての理解は、まだ不完全です。カワスズメ科の魚類(シクリッド類)はそうした多様性の顕著な例で、緩やかな種分化を経た系…
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神経堤細胞の多様化を促進したエンドセリン経路の進化

 エンドセリン経路の進化と神経堤細胞の多様化に関する研究(Square et al., 2020)が報道されました。魚は最初の脊椎動物で、そこからヒトを含む他のすべての脊椎動物が進化しました。しかし、最初の魚が進化した直後の化石記録にはギャップがあり、それは小さく柔らかい骨格のために化石記録に保存されていなかったからです。そこで、化石で…
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旱魃期に繁殖活動を減らす鳴禽類

 鳴禽類では旱魃期に繁殖活動が減ることを報告した研究(Martin, and Mouton., 2020)が公表されました。旱魃の頻度と強度を含む気候変動性は今後の温暖化とともに激化する、と予測されています。一般に寿命の長い種ほど繁殖率が低いため、気候変動による個体の死滅から立ち直る能力が低い、と考えられています。しかし、生存と繁殖はト…
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マウスの性決定遺伝子

 マウスの性決定遺伝子に関する研究(Miyawaki et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。哺乳類には雄と雌の性があります。どのように性が決まるのか、古代ギリシア時代より議論されており、性決定の研究分野は生物学の大きな主題の一つです。哺乳類の性は性染色体の組み合わせで決まる、と知られています。XX型は雌…
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カンブリア紀の寄生の証拠

 カンブリア紀の寄生の証拠に関する研究(Zhang et al., 2020)が公表されました。腕足動物は小さな貝殻のような海洋動物で、軟体動物の二枚貝類に似ています。現生腕足動物は約450種ですが、化石記録からは12000種以上が知られています。この研究は、中国雲南省で発見され、約5億1200万年前と推定されたカンブリア紀の腕足動物(…
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鳥類の認知能力の基盤

 鳥類の認知能力の基盤に関する二つの研究が公表されました。日本語の解説記事もあります。なぜ一部の鳥類が、哺乳類とは全く異なる前脳組織を有するにもかかわらず哺乳類と同様の認知能力を有するのか、1世紀にわたり議論されてきました。哺乳類の大脳皮質に認められる特徴的な層状構造の代わりに、鳥類の脳外套には高いニューロン密度が特徴的に認められます。…
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淡水生態系の健全性にとって重要な腐肉食性のカメ

 淡水生態系の健全性にとって重要な腐肉食性のカメに関する研究(Santori et al., 2020)が公表されました。コイは、オーストラリアの多くの地域で有害生物とされ、その死骸が分解して生じる副産物であるアンモニアは、高濃度になると動物に対して毒性を示します。この研究は、ホークスビュー環礁で捕獲された雄の淡水性のカメ(Emydur…
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成長の早い高木ほど寿命が短い

 成長の早い高木ほど寿命が短く、炭素貯蔵量と関連することを報告した研究(Brienen et al., 2020)が公表されました。成長速度が大きくなると寿命が短くなるという関係性は、一部の高木、とりわけ低温に適応した針葉樹で示されていますが、これが、さまざまな樹種や気候に幅広く当てはまるのか、議論の余地があります。このようなトレードオ…
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若い雄ゾウを導く高齢の雄ゾウ

 高齢の雄ゾウによる若い雄ゾウの指導を報告した研究(Allen et al., 2020)が公表されました。ゾウやクジラのように寿命の長い種の場合、高齢の個体は複雑で変化する環境に適切に対応できることが多く、同じ群れの若齢個体の役に立つと考えられますが、この分野の研究の多くは、これまで雌を対象としていました。この研究は、ボツワナのマカデ…
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バッタが群れになる原因となるフェロモン

 バッタが群れになる原因となるフェロモンに関する研究(Guo et al., 2020)が公表されました。ワタリバッタ類の大発生が、世界各地で農業および環境の安全を脅かしています。その中で、最も危険なバッタ種の一つであるトノサマバッタ(Locustia migratoria)は、全世界の農業に対する深刻な脅威になっています。ワタリバッタ…
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ムカシトカゲのゲノム

 ムカシトカゲのゲノムに関する研究(Gemmell et al., 2020)が公表されました。ムカシトカゲ(Sphenodon punctatus)は、かつてゴンドワナ大陸全域に広く存在したムカシトカゲ目爬虫類に属する唯一の現生種で、ニュージーランドに固有の象徴的な種です。絶滅したステム群爬虫類からは恐竜類・現生爬虫類・鳥類・哺乳類が…
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8億年前に月に衝突した小型小惑星

 8億年前に月に衝突した小型小惑星に関する研究(Terada et al., 2020)が公表されました。地球上での侵食過程と地表更新過程は、古代の流星物質(小型小惑星)の衝突に関する研究と、その年代決定を困難にしています。これに対して、こうした流星物質衝突の影響を解明するためには、地球よりも風化と浸食の影響が大幅に少ない月のクレーター…
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北極に形成されつつある新たな海洋生態系

 北極に新たな海洋生態系が形成されつつあることを報告した研究(Huntington et al., 2020)が公表されました。北極圏太平洋を構成するチュクチ海とベーリング海北部は、海氷の季節的影響に支配された生産性の高い海洋陸棚域です。この海域は、夏季には海洋生物や海鳥が大量に生息し、海洋哺乳類の主要な移動用の回廊になっています。チュ…
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三葉虫の眼球

 三葉虫の眼球に関する研究(Schoenemann, and Clarkson., 2020)が公表されました。この研究は、デジタル顕微鏡を用いて、1846年に現在のチェコ共和国のロジェニツェ(Loděnice)近郊で発見された、約4億2900万年前の三葉虫 (Aulacopleura koninckii)の化石を再調査しました。この化…
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生態系の劣化と生息地の消失による生物多様性の喪失

 生態系の劣化と生息地の消失による生物多様性の喪失に関する研究(Chase et al., 2020)が公表されました。人新世において、生息地の消失は生物多様性の喪失につながる大きな要因ですが、生息地の消失が正確にはどのように表れ、その規模がどの程度なのかは、今なお重要な議論となっています。「受動的抽出(passive sampling…
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