テーマ:日本史原始~古代

古墳時代中期の会津地方の支配層男性の復元像

 古墳時代中期の会津地方の支配層男性の復元像について報道されました。福島県喜多方市の灰塚山古墳という前方後円墳で、2017年にほぼ完全な男性遺骸が発見されました。この男性は身長158cm、華奢な体型でした。また、この男性は比較的面長で、鼻の付け根が平らな渡来系の顔つきだった、とのことです。この男性には脊椎に癒着があり、腰痛に悩まされてい…
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愛知県の「縄文人」のゲノム解析(追記有)

 愛知県田原市伊川津町の貝塚で発見された2500年前頃の「縄文人」個体(IK002)のゲノム解析結果を報告した研究(Gakuhari et al., 2019)が公表されました。本論文はまだ査読中なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、興味深い内容なので取り上げます。伊川津縄文人のゲノム解析結果については、すでにアジア南東…
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日本列島の言語

 日本語起源論など日本列島の主要な言語の起源論・形成論についての勉強はまったく進んでいないのですが、当ブログの関連記事を一度整理しておきます。日本列島の主要な言語としては、日本語・琉球語・アイヌ語があります。過去にはこれらと大きく異なる系統の話者数の多い言語が存在した可能性もありますが、今となってはほぼ検証不可能です。このうち、日本語と…
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北海道の「縄文人」の高品質なゲノム配列

 北海道の礼文島の船泊遺跡で発掘された3800年前頃の「縄文人」の高品質なゲノム配列を報告した研究(Kanzawa-Kiriyama et al., 2019)が公表されました。この研究についてはすでに報道されていました(関連記事)。この研究はオンライン版での先行公開となります。現代日本人は大きく、アイヌ集団・「本土」集団・琉球集団に区…
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乃至政彦『平将門と天慶の乱』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年4月に刊行されました。本書は、平将門の怨霊譚など、将門が後世においてどう語られてきたのか、という問題も取り上げつつ、天慶の乱を中心に将門の生涯を解説していきます。やや個人の心情に踏み込みすぎているかな、とも思うのですが、将門の怨霊譚にもそれなりに分量が割かれており、一般向け書籍であること…
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鳥取市青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のDNA解析補足

 現代日本人のY染色体DNAハプログループ(YHg)Dの起源について最近述べましたが(関連記事)、鳥取市青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のDNA解析(関連記事)について言及するのを忘れていたので、補足します。青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨に関しては、ミトコンドリアDNA(mtDNA)解析では32人中31人が「渡来系」で、1人が「縄文系…
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現代日本人における「縄文人」の遺伝的影響

 現代日本人のうち、人数では圧倒的な割合を占める本州・四国・九州(「本土日本人」)の人々がどの程度「縄文人」の遺伝的影響を受けているのか、という問題については、複数の推定値が提示されています。「本土日本人」のゲノムに占める「縄文人」由来の領域の割合は、福島県相馬郡新地町の三貫地貝塚の3000年前頃の「縄文人」の研究では15%程度(関連記…
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佐藤信『日本古代の歴史6 列島の古代』

 『日本古代の歴史』全6巻の第6巻として2019年3月に吉川弘文館より刊行されました。本書は第1巻~第5巻で扱われた、更新世~平安時代にかけての概説となっており、ユーラシア東部世界を視野に入れた叙述になっていることと、考古学的成果も積極的に取り入れているのが特徴です。本書は、更新世~平安時代という長期間を対象とした概説だけに(更新世~縄…
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「縄文人」のゲノム解析(追記有)

 「縄文人」のゲノム解析について報道されました。「縄文人のすべての遺伝情報を初めて解読できた」とのことですので、「縄文人」としては初めて高品質なゲノム配列が決定された、ということでしょうか。この「縄文人」は北海道の礼文島の船泊遺跡で発掘された3800年前頃の女性です。表現型では、皮膚の色は濃く、髪は細く巻き毛で、瞳は茶色で酒に強く、耳垢…
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現代日本人のY染色体DNAハプログループDの起源

 現代日本人のY染色体DNAハプログループ(YHg)では、Dが30~40%と高い割合を占めています。YHg-Dは現代では珍しいハプログループで、おもにアジア東部の一部地域とアンダマン諸島で見られます。アンダマン諸島ではYHg-Dは高頻度で見られ、アジア東部では日本列島とチベットを除くときわめて低頻度でしか存在しません。そのため、YHg-…
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篠田謙一『日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造』

 NHKBOOKSの一冊として、2019年3月にNHK出版から刊行されました。本書は2007年2月刊行の『日本人になった祖先たち』(関連記事)の改訂版となります。本書は基礎的な解説に分量を割いており、DNA解析による人類集団の移動の推定の限界も指摘しているので、一般向けとして配慮された良書になっていると思います。著者が認めるように、前著…
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佐藤信編『古代史講義【戦乱篇】』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2019年3月に刊行されました。本書は、佐藤信編『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』(関連記事)の続編というか、対となる1冊だと言えるでしょう。以下、本書で提示された興味深い見解について備忘録的に述べていきます。なお、以下の西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です。 第1講●大高…
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河上麻由子『古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで』

 中公新書の一冊として、中央公論社より2019年3月に刊行されました。本書は、いわゆる倭の五王の時代から、遣隋使・遣唐使の時代を経て、「日中」の「国家間」の関係が途絶えた10世紀までを対象としています。倭の五王に関しては、武を最後に遣使が途絶えた理由として、日本列島における「天下」概念の成長・肥大化によるものではなく、武(雄略)死後の王…
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国風文化

 当ブログで「国風文化」に関する本・論考をいくつか取り上げてきたので、まとめておきます。河内春人「国風文化と唐物の世界」佐藤信編『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』(関連記事)は、遣唐使の廃止により唐文化の流入が途絶え、日本独自の「国風文化」が発達した、という伝統的・通俗的見解の見直しを提示しています。遣唐使の「廃止」は、近年ではす…
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鳥取市青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のDNA解析

 鳥取市の青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のDNA解析の中間報告会が報道されました。青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨に関しては、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析結果が報告されています(関連記事1および関連記事2)。mtDNA解析では、青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人類集団は32人中31人が「渡来系」で、1人が「縄文系」と推定されて…
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日本では王朝交替はなかった

 当ブログで何度か述べてきましたが、日本では王朝交替はなかった、と私は考えています。この見解の前提となるのは、5世紀の時点では王族が一系化されておらず、複数の血縁集団から構成されていたのではないか、との認識です(関連記事)。日本における世襲王権の成立は6世紀以降で、欽明「天皇」が画期になっている、と私は考えています。欽明以降、四条→後嵯…
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山田康弘『縄文時代の歴史』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年1月に刊行されました。縄文時代は、草創期(16500~11500年前頃)→早期(11500~7000年前頃)→前期(7000~5470年前頃)→中期(5470~4420年前頃)→後期(4420~3220年前頃)→晩期(3220~2350年前頃)と一般的に区分されています。本書は、草創期を…
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遣隋使に関する記事のまとめ

 遣隋使について言及した当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、遣隋使に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 遣隋使をめぐる『隋書』と『日本書記』の相違について https://sicambre.at.webry.info/200803/article_12.html 「東アジア…
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邪馬台国関連の記事のまとめ

 『ビッグコミックオリジナル』で連載中の『卑弥呼』も10話まで進行したので、この機会に、当ブログの邪馬台国関連の記事を以下にまとめます。 富の源泉としてのアトランティスと邪馬台国 https://sicambre.at.webry.info/200610/article_18.html 松木武彦『日本の歴史第1巻 列島…
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奈良時代に関する記事のまとめ

 奈良時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、奈良時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 平川南『日本の歴史第2巻 日本の原像』(2008年1月刊行) https://sicambre.at.webry.info/200802/article_8.html 鐘江宏…
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平安時代に関する記事のまとめ

 平安時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、平安時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 元木泰雄『保元・平治の乱を読みなおす』 https://sicambre.at.webry.info/200611/article_21.html 髙橋昌明『平清盛 福原の夢…
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義江明子『つくられた卑弥呼 <女>の創出と国家』第2刷

 ちくま学芸文庫の一冊として、筑摩書房より2018年8月に刊行されました。第1刷の刊行は2014年7月です。本書の親本は、ちくま新書の一冊として2005年4月に筑摩書房より刊行されました。本書は女性史の観点から日本古代史を見直しており、この分野に関して勉強不足ということもあり、得たものが多く、私にとってたいへん有益な一冊となりました。当…
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倉本一宏『内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで』

 講談社現代新書の一冊として、講談社から2018年12月に刊行されました。本書は著者の『戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで』(関連記事)と対になる1冊と言えそうです。同書が基本的には「対外」戦争を対象としていたのに対して、本書は古代日本の「内戦」を対象としています。本書の基調は、古代日本列島はユーラシア大陸と比較して平…
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日本の潜在的鎖国体質(通算5000本目の記事)

 東野治之『遣唐使』は、近年(1980年代以降?)盛んな「開かれた日本」論に疑問を呈しています(関連記事)。「開かれていた日本」という発想は、常識化した鎖国史観への批判として有効であり、傾聴すべきではあるものの、それに偏ると、日本の潜在的鎖国体質を無視してしまうことになる、というわけです。私も一時期、「開かれていた日本」という見解にかな…
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縄文時代に関する記事のまとめ

 縄文時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、縄文時代に関する記事を掲載したら、追記していきます。 縄文時代の平均寿命について https://sicambre.at.webry.info/200701/article_10.html 縄文時代の推定平均寿命の妥当性をめぐる議…
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桃崎有一郎『武士の起源を解きあかす 混血する古代、創発する中世』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2018年11月に刊行されました。本書は武士の起源という大問題に挑んでおり、たいへん読みごたえがあります。私も以前はこの問題にたいへん高い関心を有しており、最近もこの問題の大家の新書を読みましたが(関連記事)、本書はじゅうらいの所説を批判的に継承しつつ、壮大な仮説を提示しています。もちろん、本書の諸…
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青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のmtDNA解析の続報

 鳥取市の青谷上寺地遺跡で出土した、弥生時代後期となる紀元後1~2世紀の人骨のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析については、以前当ブログで取り上げました(関連記事)。昨日(2018年11月17日)、その中間報告会が鳥取市の青谷町総合支所で開かれた、と報道されました。報道だけでは詳細は不明ですが、とりあえず備忘録として取り上げます。 …
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美川圭『公卿会議 論戦する宮廷貴族たち』

 中公新書の一冊として、中央公論社より2018年10月に刊行されました。本書は律令制成立の頃から室町幕府第三代将軍の足利義満の頃までの朝廷貴族(宮廷貴族)の会議の変遷を、おもに公卿を対象として検証・解説しています。一般向け書籍としてはなかなか詳しい制度史の解説となっているので、正直なところ、宮廷貴族の会議および朝廷の制度の変遷について、…
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吉村武彦『大化改新を考える』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2018年10月に刊行されました。本書は大化改新の影響を、その前提となる社会・政治状況とともに解説しており、文献だけではなく考古学的研究成果も取り入れられていますから、最新の研究成果を取り入れた大化改新の入門書になっていると思います。かつて、大化改新否定論もありましたが、考古学的研究成果からも…
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『日本書紀』には聖徳太子の遣隋使への関与は明記されていない

 聖徳太子についてのまとめ(関連記事)など、当ブログでは何度か述べてきましたが、改めて強調したいのは、『日本書紀』には聖徳太子の遣隋使への関与は明記されていない、ということです。もっとも、『日本書紀』には「立厩戸豐聰耳皇子爲皇太子。仍錄攝政。以萬機悉委焉」とあるのだから、聖徳太子は当然関与していた、との見解もあるでしょう。…
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