テーマ:古人類学

アラビア半島内陸部におけるMIS5の現生人類の足跡

 アラビア半島内陸部における海洋酸素同位体ステージ(MIS)5の現生人類(Homo sapiens)の足跡に関する研究(Stewart et al., 2020)が報道されました。アジア南西部はアフリカとユーラシアの間の重要な生物地理学的出入口なので、アフリカとユーラシア全域における人類と動物相の拡散および進化の理解に重要です。アフリカ…
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日本語とオーストロネシア語族との関係

 日本語とオーストロネシア語族との関係を指摘した研究(崎山., 2001)を読みました。もう20年近く前(2001年)の論文となるので、あるいは近年の言語学の知見を踏まえてかなりの修正が必要になるかもしれませんが、近年大きく発展した古代DNA研究、とくに、今年(2020年)になって飛躍的に進展したアジア東部の古代DNA研究(関連記事)の…
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ヴァイキングのゲノム解析

 ヴァイキングのゲノム解析に関する研究(Margaryan et al., 2020)が報道されました。ヴァイキング(Viking)は、襲撃・探検・略奪などを意味する「víking」という古ノルド語(古北欧語)に由来します。紀元後750~1050年頃となるヴァイキング時代の事象は、ヨーロッパの政治・文化・人口地図を変えました。スカンジナ…
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チンパンジーの行動多様性と環境

 チンパンジーの行動多様性と環境に関する研究(Kalan et al., 2020)が公表されました。生物種や生物個体群において発達する行動特性と文化特性は、その生物種や生物個体群が生息する環境によって形成される場合もあります。たとえば、行動の種類が多ければ、長期間にわたって環境の変動性に対処する上で役立つ可能性があります。この研究は、…
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家畜ウマのアナトリア半島起源説の検証

 家畜ウマのアナトリア半島起源説を検証した研究(Guimaraes et al., 2020)が公表されました。5500年前頃となるウマの家畜化は、古代世界で最重要の技術革新の一つです。馬力の利用により、ウマは輸送に革命を起こし、交易・戦争・移住のパターンに影響を及ぼしたので、古代世界の政治・経済・社会関係は変化しました(関連記事)。考…
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森恒二『創世のタイガ』第7巻(講談社)

 本書は2020年9月に刊行されました。第7巻は、タイガたちのいる現生人類(Homo sapiens)の集落がネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)に襲撃され、リカとユカなど拉致された女性たちをタイガたちが奪回に行く場面から始まります。タイガにより飼われている狼のウルフが敵であるネアンデルタール人の気配を察知し…
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『アナザーストーリーズ』「偽りの“神の手” 旧石器発掘ねつ造事件」

 BSプレミアムで放送されたので視聴しました。そろそろ旧石器捏造事件の発覚(2000年11月5日)から20年が経過します。もう旧石器捏造事件が一般向けメディアで取り上げられることもひじょうに少なくなったように思いますが、発覚から20年ということで、これから11月にかけて旧石器捏造事件を取り上げる雑誌や新聞もあるのでしょうか。内容に関して…
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コーカサスの25000年前頃の人類のゲノムデータ

 人間進化研究ヨーロッパ協会第10回総会で、コーカサスの25000年前頃の人類のゲノムデータに関するPDFファイル(Gelabert et al., 2020)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P49)。近年では、環境DNA研究の古代DNA研究の応用により、遺跡の堆積物から、後期および中期更新世のさまざまなホモ…
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イスラエルの旧石器時代遺跡の堆積物のDNA解析

 人間進化研究ヨーロッパ協会第10回総会で、イスラエルの旧石器時代遺跡の堆積物のDNA解析に関する研究(Slon et al., 2020)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P110)。古代DNA研究の進展により、ユーラシアにおいて更新世人類のDNA解析に成功したため、中部旧石器時代と上部旧石器時代の人類集団の…
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ウマ遺骸の性比の変化

 ウマ遺骸の性比の変化に関する研究(Fages et al., 2020)が公表されました。5500年前頃のウマの家畜化は人類史の転機となりました。最古となる馬の家畜化の確実な証拠はカザフスタン北部のボタイ(Botai)文化で得られており、年代は5500年前頃です(関連記事)。ウマの家畜化により高速輸送が可能となり、青銅器時代となる40…
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日本人のゲノムにおけるヒトヘルペスウイルス6由来の領域

 現代日本人のゲノムにおけるヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)に関する研究(Liu et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。ヒトゲノムの約8%は「内在性ウイルス配列」と呼ばれる古代のウイルス由来の配列で占められており、その多くは数百万年前にヒトの祖先のゲノムに入り込んだ、と考えられています。当初、ゲノム…
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人類最初の出アフリカ

 人類最初の出アフリカに関する研究(Scardia et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。以前の人類進化史では、最初にジャワ島で報告されたホモ・エレクトス(Homo erectus)が、アフリカからユーラシアへと拡散した最初の人類とされていました。この想定は、ジョージア(グルジア)のド…
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ポーランドのネアンデルタール人遺跡のmtDNA解析と石器分析

 ポーランドのスタイニヤ洞窟(Stajnia Cave)のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)遺骸のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析と石器群の分析に関する研究(Nyakatura et al., 2020)が報道されました。過去10年間の研究の進展により、人類の移動・交雑・絶滅の複雑なシナリオが明らかに…
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ケブカサイの古代DNA解析

 絶滅したケブカサイ(Coelodonta antiquitatis)のDNA解析結果を報告した研究(Lord et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ケブカサイは寒冷適応の大型草食動物で、後期更新世においてユーラシア北部全域に広範に分布しており、14000年前頃に絶滅しました。ヒトと気…
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マストドンのミトコンドリアゲノム

 マストドンのミトコンドリアゲノム解析結果を報告した研究(Nyakatura et al., 2020)が公表されました。人為的気候変動は生態系に大きな影響を与えており、多くの種が個体数減少もしくは絶滅を経験したか、生息範囲を変えています。過去1世紀の地球温暖化の主因は人為的ですが、大規模な気候変動に伴う環境変化は、第四紀の260万年間…
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ヨーロッパの人類集団における乳糖分解酵素活性持続の選択

 ヨーロッパの現生人類(Homo sapiens)集団におけるラクターゼ(乳糖分解酵素)活性持続(LP)の選択に関する研究(Burger et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、LPがヨーロッパにおいてどのように選択されてきたのか、検証します。一般的に哺乳類の成体は乳を消化しま…
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氷河期と間氷期初期に起きた大気中の二酸化炭素の急増

 氷河期と間氷期初期に起きた大気中の二酸化炭素の急増に関する研究(Nehrbass-Ahles et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。この研究は、EPICA(ヨーロッパ南極氷床コア計画)のドームC南極氷床コアから得た大気中二酸化炭素濃度の新しい記録を用いて、これらの急激な二酸化炭素放出は地球の気候‐炭素…
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放射性炭素年代測定法の新たな較正曲線

 放射性炭素年代測定法の新たな較正曲線に関する研究(Bard et al., 2020)が公表されました。これに関しては日本語の解説記事もあります。放射性炭素年代測定法は過去55000年の年代測定で最も広く使用されています。しかし、大気中の炭素14含有量は一定ではないため、放射性炭素年代測定法による値を暦年代に較正しなければいけません。…
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古代エジプトの動物のミイラ

 古代エジプトの動物のミイラに関する研究(Johnston et al., 2020)が公表されました。この研究は、非侵襲的なX線マイクロコンピューター断層撮影(CT)法を用いて、ネコのミイラの頭蓋骨が、外側を覆う包みのほぼ半分のサイズであることを明らかにしました。その形態からこのミイラは、エジプトのイエネコの一種である可能性が高い、と…
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古人類学の記事のまとめ(41)2020年5月~2020年8月

 2020年5月~2020年8月のこのブログの古人類学関連の記事を以下に整理しておきます。なお、過去のまとめについては、2020年5月~2020年8月の古人類学関連の記事の後に一括して記載します。私以外の人には役立たないまとめでしょうが、当ブログは不特定多数の読者がいるという前提のもとに執筆しているとはいえ、基本的には備忘録的なものです…
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古代DNAに基づくユーラシア西部の現生人類史

 古代DNAに基づく近年のユーラシア西部の現生人類(Homo sapiens)史研究を整理した概説(Olalde, and Posth., 2020)が公表されました。ユーラシア西部における現生人類の遺伝的歴史は、過去10年にたいへん注目されてきた研究分野です。これまでの研究の大半は、新石器時代と青銅器時代に起きた大規模な文化的移行をよ…
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古代DNAに基づくアフリカの人類史

 古代DNAに基づく近年のアフリカの人類史研究を整理した概説(Vicente, and Nielsen., 2020)が公表されました。古代DNA研究の急速な進展により、人類史はより深く理解されるようになりました。たとえば、ある物質文化の変化が、人々の移動の結果なのか、あるいは文化の拡散によるものなのか、より詳しく推測できるようになりま…
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陶器製調理鍋に残る食習慣の痕跡

 陶器製調理鍋に残る食習慣の痕跡に関する研究(Miller et al., 2020)が公表されました。この研究は、1年間にわたって週1回の頻度で、素焼きの陶器製の調理鍋で同じ食材を繰り返し調理した後、最終回の調理だけレシピを変える実験を行ない、調理鍋の残渣が、最終回の調理によるものなのか、調理鍋が使用された期間中の調理の蓄積を表してい…
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恋愛に関連しているかもしれない遺伝子

 恋愛に関連しているかもしれない遺伝子についての研究(Sadikaj et al., 2020)が公表されました。この研究は、親密な関係にある男女111組(計222人)に対して、20日間にわたり、本人たちの社会的行動(他者とほほ笑み合ったり笑い合ったりすること、皮肉なコメントをすること、他者に何かを頼んだり譲歩したりすることなど)、パー…
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愛知県の縄文時代の人骨のゲノム解析

 愛知県田原市の伊川津貝塚遺跡の人骨(IK002)のゲノム解析に関する研究(Gakuhari et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。本論文は、すでに昨年(2019年)、査読前に公開されていました(関連記事)。その時と内容は基本的に変わっていないようなので、今回は昨年の記事で言及していなかったことや、査読…
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中国陝西省の石峁遺跡の発掘成果

 中国陝西省の石峁(Shimao)遺跡の発掘成果について報道されました。紀元前2300~紀元前1800年頃の石峁遺跡では、高台にある長方形の20段のピラミッド状建築物(ギザの大ピラミッドと比較して、高さは半分ですが、底面積は4倍とのことです)やその周囲を取り囲む全長10km以上の防壁、壁画や翡翠といった工芸品、生贄の証拠が見つかっている…
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古代DNAに基づくユーラシア東部の人類史

 古代DNAに基づく近年のユーラシア東部の人類史研究を整理した概説(Zhang, and Fu., 2020)が公表されました。古代DNA研究により、人類の歴史と進化に関する知識が増えました。ユーラシア西部での研究により、人類集団の移動と混合に関する既存の仮説を比較して評価し、以前には考慮されていなかった新たな仮説の提唱が可能となりまし…
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ホモ・ナレディの下顎小臼歯の分析と比較

 ホモ・ナレディ(Homo naledi)の下顎小臼歯の分析と比較に関する研究(Davies et al., 2020)が公表されました。ホモ・ナレディは南アフリカ共和国のライジングスター洞窟群(Rising Star Cave)で発見され、2015年に公表されたホモ属の新種です。ライジングスター洞窟においては、ディナレディ空洞(Din…
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人類史における投擲能力

 人類史において、投擲能力はひじょうに大きな意味を有したのではないか、と思います。人類は一見すると、狩猟に相応しくない特徴を有している、と言えるかもしれません。人類は、狩りを行なう動物の多くよりも素早い動きと力強さの点で劣りますし、狩りを行なう動物のように鋭い牙や鉤爪を有しているわけでもありません。しかし、優れた認知能力・道具を作るのに…
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最終氷期における地球規模の急激な気候変動現象の同時発生

 最終氷期における地球規模の急激な気候変動現象の同時発生に関する研究(Corrick et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。グリーンランドの氷床コアから得られた最終氷期(11万5000~1万1700年前頃)の気候記録により、温暖期と寒冷期を繰り返す急激な気候振動が明らかになっています。こうした振動は、ダ…
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