テーマ:古人類学

社会的隔離による渇望反応

 社会的隔離による渇望反応に関する研究(Tomova et al., 2020)が公表されました。社会的交流は報酬刺激であり、笑顔などの前向きな社会的交流に関連した画像は、ヒトの脳内のドーパミン報酬系を活性化させます。これまでの研究で、短時間の社会的隔離を受けたマウスは、その後の社会的交流時に中脳ドーパミン系の反応が強化される、と示され…
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14世紀のポーランドにおける人為的な地域生態系の変化

 14世紀のポーランドにおける人為的な地域生態系の変化に関する研究(Lamentowicz et al., 2020)が公表されました。この研究は、ポーランド西部のワグフ(Łagów)村近くの自然保護区であるポースキワグ(Pawski Ług)で、異なる泥炭層に含まれる植物と花粉の組成の違いを分析しました。ワグフ村は13世紀初頭に開拓さ…
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ウラル地域の中世初期人類の遺伝的データとハンガリーとの関係

 ウラル地域の中世初期人類の遺伝的データとハンガリーとの関係についての研究(Csáky et al., 2020)が公表されました。ウラル地域は多くの移住に関わっており、それはヨーロッパの歴史も形成しました。こうした事象の考古学的痕跡は、中でもウラル南部地域の中世初期の墓地に見られます。数百基の墓を有する小さくまとまった墓地はウラル地域…
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ネアンデルタール人とデニソワ人のABO式血液型関連遺伝子

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)のABO式血液型関連遺伝子に関する研究(Villanea et al., 2020)が公表されました。本論文は査読前なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、ひじょうに興味深い内容なので取り上げます。本…
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斎藤成也編著『最新DNA研究が解き明かす。 日本人の誕生』

 秀和システムより2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はDNA研究による日本人起源論を扱っています。表題には「最新」とありますが、進展の速い分野なので、脱稿後にも関連研究が次々と公表されていくわけで、その意味では、「最新」と謳っているのにあの研究が取り上げられていない、といった否定的感想もありそうです。しかし、この…
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九州の縄文時代後期の土器のコクゾウムシ圧痕

 九州の縄文時代後期の土器のコクゾウムシ圧痕に関する研究(Obata et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。圧痕とは、土器の表面や断面についたタネやムシの痕跡のことで、これを探る土器圧痕法という手法が2003年頃から取り入れられています。圧痕の中でも特に、目視で確認できない圧痕を可視化する方法がX線CT…
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ヨーロッパ人との接触前のアンデス中央部における親族結合の強化

 ヨーロッパ人との接触前のアンデス中央部における親族結合の強化に関する研究(Ringbauer et al., 2020)が公表されました。ROH(runs of homozygosity)とは、両親からそれぞれ受け継いだと考えられる同じアレル(対立遺伝子)のそろった状態が連続するゲノム領域(ホモ接合連続領域)で、長いROHを有する個体…
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接触仮説の検証

 接触仮説を検証した研究(Mousa., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。集団間の社会的偏見は集団間の有意義な協調を通じて軽減できる、という広く認められた接触仮説は、平和促進を目指す現実世界の戦略の基盤としての役割を果たすことが多く、それに一部基づいて、世界では外集団との接触に焦点を合わせた平和構築計画に何十億ド…
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Y染色体に基づくイラク人集団の遺伝的多様性と移住

 Y染色体に基づくイラク人集団の遺伝的多様性と移住に関する研究(Lazim et al., 2020)が公表されました。現在のイラクは、古代にはメソポタミアとして知られる地域でした。この地域の古代の狩猟採集民は紀元前1万年頃に定住し、農耕を始めて、やがて交易が発展しました。イスラム教勢力の拡大に伴い、イラクにはアラブ人が拡散してきます。…
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古代DNAデータから推測されるバヌアツにおける複数の移住

 古代DNAデータからバヌアツにおける複数の移住を推測した研究(Lipson et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。太平洋の人類史研究における重要な違いは、ニアオセアニアとリモートオセアニアとの間にあります。ニアオセアニアは西太平洋の一部で、ニューギニアやビスマルク諸島(ニューブリテン…
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ヨーロッパの上部旧石器時代の一卵性双生児

 ヨーロッパの上部旧石器時代の一卵性双生児に関する研究(Teschler-Nicol et al., 2020)が公表されました。4万~3万年前頃、現在のオーストリアのニーダーエスターライヒ州のクレムス(Krems)市中心部を、上部旧石器時代の狩猟採集民が繰り返し利用していました。これらの上部旧石器時代遺跡は、ヨーロッパ中央部の早期現生…
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イスラエルのティンシェメット洞窟遺跡

 イスラエルのティンシェメット洞窟(Tinshemet Cave)で発掘調査が進められており、公式サイトが公開されています。ティンシェメット洞窟では中部旧石器時代の石器や人類遺骸が発見されているそうです。この時期に、ヨーロッパ起源のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)とアフリカ起源の現生人類(Homo sap…
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デマを流すのは低コストで否定するのは高コスト

 デマを流すのは低コストである一方、デマを否定するのは高コストである、という非対称性は人間社会の嫌な真理です。もちろん、知識・情報が足りず、情報判断力が低いため、真実と確信して結果的にデマを流す人もいるでしょうが、常習犯のように次から次へとデマを流す人の中には、デマと知っているか、真偽や根拠が曖昧だと理解していながら、騙せる奴(いわゆる…
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古代ゲノムデータに基づくユーラシア東部草原地帯の6000年の人口史

 古代ゲノムデータに基づく、モンゴルを中心とするユーラシア東部草原地帯の長期にわたる人口史に関する研究(Jeong., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。最近の古代ゲノム研究により、ヨーロッパや近東やコーカサスにおける青銅器時代の変化と一致する大陸規模の移住を伴う、ユーラシア草原地帯の動的な人口史…
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最古の寝具

 最古の寝具に関する研究(Wadley et al., 2020)が報道されました。人類による火の使用の古い証拠は、100万年前頃となる南アフリカ共和国のワンダーウェーク洞窟(Wonderwerk Cave)遺跡(関連記事)や、150万年前頃となるケニアのクービフォラ(Koobi Fora)のFxJj20遺跡で得られています。アフリカ外…
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古代ゲノムデータに基づくイヌの進化史

 古代ゲノムデータに基づくイヌの進化史に関する研究(Bergström et al., 2020)が報道されました。オオカミは、ヒトが相利共生関係を築いた最初の動物でした。イヌの家畜化の年代・起源地・回数について、ほとんど合意はありませんが、考古学的記録はヒトとの長期にわたる密接な関係を証明します。現代のイヌのゲノムは複雑な集団構造を明…
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アフリカ人の包括的なゲノムデータ

 アフリカ人の包括的なゲノムデータを報告した研究(Choudhury et al., 2020)が公表されました。世界規模でのゲノム解析により、現代人で最も遺伝的多様性が高いのはアフリカ人と示されています。こうしたゲノムデータは、医療にも役立てられています。しかし、現在までに、約2000のアフリカの民族言語集団のうちわずかしか遺伝的に特…
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堆積物のmtDNA解析で確認されたチベット高原のデニソワ人

 チベット高原の更新世堆積物のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析結果を報告した研究(Zhang et al., 2020)が公表されました。種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)は、南シベリアのアルタイ山脈のデニソワ洞窟(Denisova Cave)遺跡で見つかった手の末節骨の断片から決定されたゲノム配列により初め…
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横浜市の称名寺貝塚遺跡の人類遺骸のmtDNA解析

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、横浜市の称名寺貝塚遺跡の人類遺骸のmtDNA解析に関する研究(Takahashi et al., 2020)が公表されました。称名寺貝塚遺跡は、縄文時代後期初頭の考古学的指標とされる称名寺式土器で有名です。2017年の発掘では、人類遺骸を伴う25の土坑墓が発見されました。これらの人類遺骸には…
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アフリカ東部の環境変化と中期石器時代への移行

 アフリカ東部の環境変化と中期石器時代への移行に関する研究(Potts et al., 2020)が報道されました。環境変化と人類の進化を結びつける仮説は、地球規模もしくは地域規模の気候変化と主要な進化基準との間の時間的相関に焦点を当ててきました。アフリカにおける人類の進化に関しては、軌道周期による乾燥化や湿潤化や気候変動の増加が、どの…
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高齢の野生チンパンジーの社会行動

 高齢の野生チンパンジーの社会行動に関する研究(Rosati et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。社会情動的選択性理論(SST)は、年を取るにつれて人は老い先短いという感覚ゆえに確立されたポジティブな関係を優先させるようになり、新しい友達を作るより最も親密で最も古くからの最も大切な友達と過ごす方を選ぶ…
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クローヴィス文化の年代

 クローヴィス(Clovis)文化の年代に関する研究(Waters et al., 2020)が報道されました。本論文はクローヴィス文化の各遺跡の信頼性が高い年代を提示していてたいへん意義深く、今後の研究で長く参照されるでしょう。長い間、アメリカ大陸における最古の文化はクローヴィスで、クローヴィス文化からその後の南北アメリカ大陸の技術が…
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エジプト第25王朝のミイラのmtDNA解析

 エジプト第25王朝のミイラのミトコンドリアDNA(mtDNA)結果を報告した研究(Drosou et al., 2020)が公表されました。タカブチ(Takabuti)は、紀元前660年頃エジプト第25王朝下のテーベに住んでいた女性で、そのミイラ化した遺骸と棺は、1834年に北アイルランドのベルファストに運ばれ、現在はアルスター博物館…
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ヒトの皮膚由来の個々のメラノサイトのゲノムの全体像

 ヒトの皮膚由来の個々のメラノサイトのゲノムの全体像に関する研究(Tang et al., 2020)が公表されました。ヒトの全細胞は固有の体細胞変異セットを持っていますが、個々の細胞の遺伝型を包括的に決定することは困難です。この研究は、正常なヒト皮膚において、この障害を克服する方法について報告します。これにより、ヒト皮膚由来の個々のメ…
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非生殖細胞におけるY染色体遺伝子の効果

 非生殖細胞におけるY染色体遺伝子の効果に関する研究(Deschepper., 2020)が報道されました。哺乳類は1対の性染色体と多数の常染色体を有します(ヒトでは22対の常染色体)。雌は2本のX性染色体を有していますが、雄はX染色体とY染色体を1本ずつ持っています。Y染色体には雌に欠けている遺伝子があります。これらの雄特有の遺伝子は…
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ホモテリウム属個体のゲノム解析

 ホモテリウム属個体のゲノム解析結果を報告した研究(Barnett et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、ネコ科の剣歯虎(マカイロドゥス亜科)のホモテリウム族の1種(Homotherium latidens)のゲノムデータを報告します。この記事では仮に「三日月刀歯虎」と訳して…
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アジア南東部における人類も含む大型動物絶滅の環境要因

 アジア南東部における人類も含む大型動物絶滅の環境要因に関する研究(Louys, and Roberts., 2020)が報道されました。アジア南東部は北部のインドシナ地域と南部のスンダ地域で構成されており、広大なフタバガキ科熱帯雨林により特徴づけられ、世界で最も種が豊富な生態系を有します。アジア南東部では、寒冷期に海面が低下するとスン…
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都道府県単位の日本人の遺伝的構造

 都道府県単位の日本人の遺伝的構造に関する研究(Watanabe et al., 2020)が報道され、話題になっているようです。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文では、日本人の遺伝的構造を解明するため、47都道府県単位と、さらに大きな9地域区分(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・…
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下側頭葉皮質のリサイクルがもたらしたヒトの読書能力

 ヒトの読書能力と下側頭葉皮質のリサイクルの奸計についての研究(Rajalingham et al., 2020)が報道されました。ヒトが読み書きのシステムを開発し始めたのは、過去数千年以内のことです。ヒトの読書能力は他の動物種と一線を画すものですが、数千年はヒトの脳が特に読書に専念する新しい領域を進化させるにはあまりにも短い時間枠です…
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ヒトの空間記憶における高カロリー食品の優先

 ヒトの空間記憶における高カロリー食品の優先を報告した研究(de Vries et al., 2020)が公表されました。この研究は、食品の位置記憶を測定するための実験を行ない、512人の参加者に対して、食品サンプルまたは食品の香りがする脱脂綿の入った瓶(合計8点)がそれぞれ別々に配置された部屋の中を、決められた順路に従って進むように指…
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