テーマ:古人類学

アジア東部現生人類集団の古代DNA研究の進展

 近年の古代DNA研究の進展は目覚ましく、その中でもやはり、自身のことであるため、人類の古代DNA研究が最も進んでいる、と言えるでしょう。ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)など非現生人類(Homo sapiens)ホモ属(古代型ホモ属)のDNA研究にも高い関心が寄せられてきましたが、やはり発見されている個体…
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ヒトゲノムにおける構造多様性のマッピングと特性解析

 ヒトゲノムにおける構造多様性のマッピングと特性解析に関する研究(Abel et al., 2020)が公表されました。ヒト遺伝学研究における全ゲノム塩基配列解読の主要な目標の一つは、一塩基多様体、小さな挿入や欠損(インデル)、構造多様体をはじめとする、あらゆるタイプの多様性を調べることです。しかし、構造多様体を研究するためのツールや情…
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コーカサス北部のコバン文化の母系と父系

 コーカサス北部のコバン(Koban)文化の母系と父系に関する研究(Boulygina et al., 2020)が公表されました。近年の古代DNA研究の進展は目覚ましく、コーカサスでも銅石器時代~青銅器時代の集団で大きな成果が得られています(関連記事)。しかし、コーカサス北部集団の現代の民族的構成の形成に大きな影響を与えた文化の古代D…
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現代のそりイヌの祖先(追記有)

 現代のそりイヌの祖先に関する研究(Sinding et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。グリーンランド・ドッグ、アラスカン・マラミュート、ハスキーといった、北極圏に適応した犬種である現代のそり犬は、共通して古代シベリアに起源を有し、1万年前頃に最終氷期の最後の残留氷河が消滅した時に登場したと考えられ、…
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狩猟採集技能の文化および個体間の多様性

 狩猟採集技能の文化および個体間の多様性に関する研究(Koster et al., 2020)が公表されました。ヒト(Homo sapiens)は類人猿(ヒト上科)の間で、長い学童期(juvenile)と思春期(adolescent)を含む遅い生活史、短い出産間隔、繁殖後の長い寿命という一連の生活史により区別されます。これらの特性の進化…
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マヤ文化最古の儀式用建造物

 マヤ文化最古の儀式用建造物に関する研究(Inomata et al., 2020)が報道されました。考古学界では従来、マヤ文化はじょじょに発展したと考えられており、土器の使用および定住生活の開始とともに、小規模村落が紀元前1000~紀元前350年頃(以下、すべて較正年代です)となる中期先古典期に出現した、と想定されてきました。しかし近…
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さまざまな疾患の性差のある脆弱性と関わる補体遺伝子

 さまざまな疾患の性差のある脆弱性と関わる補体遺伝子についての研究(Kamitaki et al., 2020)が公表されました。多くの一般的な疾患では男女で異なる影響が見られますが、その理由は特定されていません。たとえば、原因不明の消耗性自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群(SjS)では、男性よりも女…
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ライオンの進化史

 ライオンの進化史に関する研究(de Manue et al., 2020)が報道されました。最近まで、ライオン(Panthera leo)は最も広く分散した陸生哺乳類の一つでした。頂点捕食者として、ライオンは重要な生態的影響を有し、ヒトの図像で顕著に取り上げられてきました。更新世において、ライオンは広大な地理的範囲に存在していました。…
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ゲノムおよび同位体分析から推測されるアイルランド新石器時代の社会構造

 ゲノムおよび安定同位体分析からアイルランド島における新石器時代の社会構造を推測した研究(Cassidy et al., 2020)が報道(Sheridan., 2020)されました。古代ゲノムの以前の分析では、新石器時代大西洋沿岸社会間の共通系統が示されてきましたが(関連記事)、放射性炭素年代測定法による最近の研究では、フランス北西部…
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麻疹の起源

 麻疹の起源に関する研究(Düx et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。麻疹ウイルスは人類最古の病原体の一つと考えられており、保健機関と科学者たちは、麻疹ウイルスを主要標的に一般的なヒト病原体の進化経路の解明に努めてきました。研究者たちは、麻疹ウイルスが出現したのは、今は根絶された牛疫ウイルスの家畜から…
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アフリカにおける完新世人類集団の複雑な移動と相互作用

 サハラ砂漠以南のアフリカにおける完新世人類集団の複雑な移動と相互作用に関する研究(Wang et al., 2020)が報道されました。現代のアフリカは言語・文化・経済がひじょうに多様な地域です。この多様性に寄与した集団の相互作用・移住・混合・置換は、遺伝学・考古学・言語学の研究で何十年にもわたって研究の中心的な目的でした。古代DNA…
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ベーリンジアにおけるマンモスの絶滅

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、マンモスの絶滅に関する研究(MacDonald et al., 2020)が公表されました。この研究は、地域別の放射性炭素測定年代データベースを用いて、現在のアラスカからシベリア東部にまたがる地域で、マンモスの最後の生息地となったベーリンジア(ベーリング陸橋)における絶滅パターンを調べました…
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ネアンデルタール人と現生人類との複数回の交雑

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)との複数回の交雑に関する研究(Taskent et al., 2020)が報道されました。アフリカ起源の現生人類はアフリカからユーラシアへ拡散し、6万~5万年前頃にネアンデルタール人と交雑しました。その結果、非アフリカ系現代人は全員、…
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ゴットランド島の円洞尖底陶文化と戦斧文化の関係

 スウェーデンのゴットランド島の円洞尖底陶文化と戦斧文化の関係についての研究(Coutinho et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。物質文化の考古学的解釈は長い間、過去のヒト社会と人口動態の変化を理解する主要な手法の一つでした。最近の考古学的調査では、大規模な移住を含むヒトの移動が、…
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現代人および古代人のゲノムデータから推測される朝鮮人の起源

 現代人および古代人のゲノムデータから推測される朝鮮人の起源に関する研究(Kim et al., 2020)が公表されました。なお、以下では「朝鮮人」で統一しますが、おそらく本論文のデータの全ては、朝鮮民主主義人民共和国ではなく、大韓民国の人々からのものと思われます。その意味では「韓国人」で統一する方が妥当かもしれませんが、本論文は「民…
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鉄器時代から現代のレバノンの人口史

 鉄器時代から現代のレバノンの人口史に関する研究(Haber et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。古代近東はユーラシア西部の主要な文化間の相互作用の中心に位置し、エジプトやヒッタイトやアッシリアやバビロニアやペルシアやギリシアやローマや十字軍やマムルークやオスマン帝国など、さまざまな…
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ペルー人の低身長の遺伝的要因

 ペルー人の低身長の遺伝的要因に関する研究(Asgari et al., 2020)が公表されました。ペルー人の平均身長は、世界平均と比較すると低い水準にあり、平均身長は男性が165.3cm、女性が152.9cmです。この研究は、ペルー人の身長に関連する遺伝的要因を解明するため、リマに居住する3134人の遺伝的データと身長のデータを入手…
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アジア東部の早期現生人類におけるデニソワ人の遺伝的痕跡

 アジア東部の早期現生人類(Homo sapiens)における、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の遺伝的痕跡に関する研究(Massilani et al., 2020)が公表されました。本論文は査読前なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、ひじょうに興味深い内容なので取り上げます。現生人類はアジア東…
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カリブ海諸島への人類の拡散

 カリブ海諸島への人類の拡散に関する研究(Nägele et al., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。考古学的証拠では、カリブ海諸島への最初の人類の移住は8000年前頃と推定されています。アメリカ大陸本土に近いトリニダード(Trinidad)島を別にすると、カリブ海…
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ミトコンドリアから予測される哺乳類における雑種の繁殖力

 ミトコンドリアから哺乳類における雑種の繁殖力を予測した研究(Allen et al., 2020)が報道されました。複数の動物種間で雑種が確認されており、クマやイヌ科やネコ科やクジラ目やウシ科といった哺乳類だけではなく、鳥類も同様で、蝶や蚊といった無脊椎動物でも古代および現代の遺伝子流動の広範なパターンが見られます。哺乳類では、種間の…
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髙倉純「北アジアの後期旧石器時代初期・前期における玉やその他の身体装飾にかかわる物質資料」

 本論文は、文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究)2016-2020年度「パレオアジア文化史学」(領域番号1802)計画研究A01「アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組みの構築2019年度研究報告書(PaleoAsia Project Series 25)に所収されています。公式サイトにて本論文をPDFファ…
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新石器時代から鉄器時代の中国北部の人口史

 新石器時代から鉄器時代の中国北部の人口史に関する研究(Ning et al., 2020)が公表されました。中国は近東の次に独自に穀物栽培の始まった地域で、南部の長江流域では天水稲作農耕が、北部の黄河(YR)流域では乾燥地帯雑穀農耕が行なわれました。中国北部は、黄河中流から下流の中原を含む広大な地域で、世界でも比較的古い都市文化の起源…
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中石器時代から鉄器時代のフランスの人口史

 中石器時代から鉄器時代のフランスの人口史に関する研究(Brunel et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。過去1万年、ユーラシア西部集団は2回の大きな文化的変化を経てきました。最初は、新石器時代における狩猟採集生活様式から食料生産に基づき生活様式への移行です。その次が、紀元前三千年紀…
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フランスとドイツの中石器時代と新石器時代の人類のゲノムデータ

 フランスとドイツの中石器時代と新石器時代の人類のゲノムデータに関する研究(Rivollat et al., 2020)が公表されました。採集から農耕への変化となる新石器時代への移行は、人類史における最重要事象の一つです。ユーラシア西部では、新石器時代の生活様式は、紀元前七千年紀から続く、レヴァント北部からのアナトリア半島経由の可能性が…
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注意欠陥・多動性障害への選択圧

 注意欠陥・多動性障害(ADHD)への選択圧に関する研究(Esteller-Cucala et al., 2020)が報道されました。ADHDは、注意欠陥・多動性・衝動性を特徴とする一般的な神経発達状態です。ADHDの世界的な有病率は子供と青年において約5%で、成人期まで持続することもよくあります。双生児研究では、ADHDは70~80%…
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現代人におけるネアンデルタール人由来のプロゲステロン受容体関連遺伝子

 現代人におけるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)由来のプロゲステロン受容体(PGR)関連遺伝子に関する研究(Zeberg et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。プロゲステロンは卵巣・胎盤・副腎で産生されるステロイド性ホルモンで、胎盤哺乳類において妊娠・月…
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ヒトゲノム多様体のカタログ

 ヒトゲノム多様体のカタログに関する4研究が公表されました。ゲノムデータを集約したデータベースである「Genome Aggregation Database(gnomAD)」に、ヒトの遺伝的多様体の公開カタログとして既知では最大のものが登録されました。この大きな標本規模により、個人間の一塩基多様体(SNV)だけではなく、50以上のヌクレ…
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オロリン・トゥゲネンシスの二足歩行

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、オロリン・トゥゲネンシス(Orrorin tugenensis)の二足歩行に関する研究(Almécija et al., 2013)が公表されました。最初期人類は祖先的な二足歩行動物で、700万~600万年前頃にアフリカの中新世類人猿から進化したことが、化石記録に示されています。人類と現生大…
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バイカル湖地域における上部旧石器時代から青銅器時代の人口史

 シベリア南部のバイカル湖地域における上部旧石器時代から青銅器時代の人口史に関する研究(Yu et al., 2020)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。シベリアのバイカル湖地域には上部旧石器時代以来現生人類(Homo sapiens)が居住しており、豊…
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加藤真二「いくつかの事例からみる中国北部における後期旧石器の開始について」

 本論文は、文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究)2016-2020年度「パレオアジア文化史学」(領域番号1802)計画研究A01「アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組みの構築2019年度研究報告書(PaleoAsia Project Series 25)に所収されています。公式サイトにて本論文をPDFファ…
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