テーマ:古人類学

アジア中央部南方の現代人集団の鉄器時代以降の遺伝的連続性の検証

 アジア中央部南方の現代人集団の鉄器時代以降の遺伝的連続性に関する研究(Guarino-Vignon et al., 2022)が公表されました。アジア中央部は、西方のカスピ海から東方のバイカル湖にかけての、現在のタジキスタンとカザフスタンとトルクメニスタンとウズベキスタンとキルギスとアフガニスタン北部を含む広範な地域です。アジア中央部…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ダチョウの卵殻製ビーズから推測される過去5万年間のアフリカにおける社会的つながり

 ダチョウの卵殻製ビーズから過去5万年間のアフリカ東部と南部とのつながりを推測した研究(Miller, and Wang., 2022)が公表されました。ヒトは、アフリカ各地の多様な集団が緩やかにつながった状況で進化してきました(関連記事1および関連記事2)。そのため、現在の人類の生物学的および文化的な多様性を説明するには、そうした集団…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ヨーロッパの葡萄酒用ブドウの起源

 ヨーロッパの葡萄酒用ブドウの起源に関する研究(Magris et al., 2021)が公表されました。ブドウの栽培は、地中海東部で4000年近く、ヨーロッパ西部で2000年近く行なわれてきました。しかし、メルロやシャルドネやソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールなどの品種を含むヨーロッパの葡萄酒用ブドウの起源については論争があります…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ジャワ島の後期更新世初期の層で発見された現生人類の歯の年代

 ジャワ島の後期更新世初期の層で発見された現生人類(Homo sapiens)の歯の年代測定結果を報告した研究(Kaifu et al., 2022)が公表されました。ユーラシア東部とオーストラレーシアへの現生人類の最初の拡散時期は、激しく議論されています。この地域への現生人類の移住を海洋酸素同位体ステージ(MIS)5・4(130000…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

フェロー諸島におけるヴァイキング以前の人類の存在

 フェロー諸島におけるヴァイキング以前の人類の存在を報告した研究(Curtin et al., 2021)が公表されました。以下、年代は明記しない限り全て紀元後です。アイスランドとノルウェーとブリテン諸島の間に位置するフェロー諸島は、北大西洋を横断するヴァイキングの探検の足がかりでした。一般的な合意は、古代スカンジナビア人がフェロー…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

藤尾慎一郎『日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、移行期という視点からの日本列島の先史時代(旧石器時代から縄文時代と弥生時代を経て古墳時代まで)の通史です。本書はまず、時代の意味について検証します。日本語の時代に相当する用語として、英語ではAgeやEraやPeriodなどがあります。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

子供は「不作為の嘘」には寛容になりやすい

 子供が「不作為の嘘」には寛容になりやすいことを報告した研究(Hayashi, and Mizuta., 2021)が公表されました。日本語の解説記事もあります。人間は誰でも嘘をついたことがあり、嘘は身近な社会的行動です。子供においても、親や先生に怒られるのを避けるために、悪事を隠そうとして嘘をつくことは頻繁に見られます。嘘は行為の形態…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

タンザニアの366万年前頃の人類の足跡

 タンザニアの366万年前頃の足跡に関する研究(McNutt et al., 2021)が報道されました。1976年、タンザニアのラエトリ(Laetoli)遺跡A の7地点で、5点の連続した二足歩行の足跡が発見されました。広さは490m²で、年代は366万年前頃となり、18400個の動物の足跡があります(図1)。この行跡(連続した足跡)…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古人類学の記事のまとめ(45)2021年9月~2021年12月

 2021年9月~2021年12月のこのブログの古人類学関連の記事を以下に整理しておきます。なお、過去のまとめについては、2021年9月~2021年12月の古人類学関連の記事の後に一括して記載します。私以外の人には役立たないまとめでしょうが、当ブログは不特定多数の読者がいるという前提のもとに執筆しているとはいえ、基本的には備忘録的なもの…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

2021年の古人類学界

 あくまでも私の関心に基づいたものですが、年末になったので、今年(2021年)も古人類学界について振り返っていくことにします。近年ずっと繰り返していますが、今年も古代DNA研究の進展には目覚ましいものがありました。正直なところ、最新の研究動向にまったく追いついていけていないのですが、今後も少しでも多く取り上げていこう、と考えています。当…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

レヴァントの中期更新世の人類化石をめぐる議論

 以前当ブログで取り上げた(関連記事)、レヴァントの中期更新世の人類化石に関する研究(Hershkovitz et al., 2021、以下H論文)に対する反論(Marom, and Rak., 2021、以下MR論文)と再反論(May et al., 2021、以下M論文)が公表されました。まずはMR論文を取り上げます。  H論…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

森恒二『創世のタイガ』第9巻(講談社)

 本書は2021年12月に刊行されました。第9巻ではまず、第8巻の最後で明らかになった、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の側の「王」がどのように太古の世界に来たのか、描かれます。1940年代のドイツとの国境に近いフランスで、士官学校を出たばかりの新任将校であるクラウス・シュルツ少尉の率いるドイツ軍の小隊は…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

中期更新世ホモ属の新たな分類

 中期更新世ホモ属の新たな分類に関する研究(Roksandic et al., 2021)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。2019年、アメリカ生物人類学会(以前はアメリカ自然人類学会)総会で、本論文の著者たちはホモ・ハイデルベルゲンシス(Homo heidelbergensis)の定義に取り組みました(関…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ポーランドの41500年前頃の象牙製ペンダント

 ポーランドで発見された41500年前頃の象牙製ペンダントに関する研究(Talamo et al., 2021)が公表されました。人体の装飾や飾りの出現は、象徴的行動の最初期の兆候の一つと考えられており、ヒトの進化における民族言語的帰属意識と社会的複雑さの始まりを示しています。個人的装飾品が考古学的記録において出現した時期と場所は、古代…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

江戸時代の人々の口腔内細菌叢

 江戸時代の人々の口腔内細菌叢に関する研究(Shiba et al., 2021)が公表されました。日本語の解説記事もあります。歯垢が石灰化することで形成される歯石には、食物や細菌のDNAが含まれています。歯石から抽出されたDNAを用いたゲノム解析により、当時の食生活や病気に関連した情報を入手可能であることが近年報告され、注目されていま…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

オマキザルのゲノム解析

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、オマキザル(Cebus imitator)のゲノム解析結果を報告した研究(Orkin et al., 2021)が報道されました。オマキザルはサルの中で相対的な脳サイズが最も大きく、身体サイズが小さいにも関わらず50歳を超えて生きられますが、その遺伝的基盤はこれまで不明でした。この研究は、霊…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

学際的研究に基づくチベット高原の人口史

 チベット高原の人口史に関する研究(Zhang et al., 2021)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、農耕開始前までのチベット高原の人口史に関する先行研究を整理しており、たいへん有益だと思います。チベット人は高地環境に住む最大の在来人口集団で、青海・チベット高原の過酷な環境に対処する一連の特…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

彭宇潔「熱帯湿潤地域の狩猟採集民集団における民族誌的研究―カメルーンのバカ・ピグミーにみられる移住と道具利用に関し…

 本論文は、文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究)2016-2020年度「パレオアジア文化史学」(領域番号1802)計画研究B01「アジア新人文化形成プロセスの総合的研究」2020年度研究報告書(PaleoAsia Project Series 32)に所収されています。公式サイトにて本論文をPDFファイルで読めます(P31-34…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

中国南部で発見された現生人類遺骸の年代をめぐる議論

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、以前当ブログで取り上げた(関連記事)、中国南部における複数の遺跡の7万年以上前とされる初期現生人類の年代を見直した研究(Sun et al., 2021、以下Sun論文)に対する、二つの反論と再反論が公表されました。  まず、一方の反論(Higham, and Douka., 2021…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ヒト遺骸から周囲の石へのDNAの拡散

 ヒト遺骸から周囲の石へのDNAの拡散を報告した研究(Sarhan et al., 2021)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。古代DNAは、人類だけではなく、他の動物や植物や微生物の祖先の歴史の研究にとって強力な手法になりました。骨格およびミイラ化した遺骸に加えて、最近では堆積物も古代DNAの有望な供給源…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

最古のデニソワ人のmtDNA分析とその文化的適応

 種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の最古となる遺骸のミトコンドリアDNA(mtDNA)分析と関連する石器群についての研究(Brown et al., 2021)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。更新世人類遺骸の同定と分析は、ヒトの進化と相互作用と適応の支配的過程の解明の基礎を形成して…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

イベリア半島南部における銅器時代から青銅器時代の人類集団の遺伝的変化

 イベリア半島南部の銅器時代から青銅器時代の人類集団の大規模なゲノムデータを報告した研究(Villalba-Mouco et al., 2021)が公表されました。紀元前三千年紀の最後の世紀に、ヨーロッパと近東とエジプトの社会は大規模な社会的および政治的激変を経ました。アッカド帝国とエジプト古王国の末における、集落の放棄、人口減少、交通…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

エキソーム塩基配列の解読および解析

 エキソーム塩基配列の解読および解析に関する研究(Backman et al., 2021)が公表されました。ヒトの遺伝学の大きな目標は、自然に生じた変動を用いて、ゲノムの各タンパク質コード遺伝子の変化が表現型に及ぼす影響を理解することです。2017年にイギリスバイオバンクは約50万人のイギリス人の一塩基多型遺伝子型決定データを発表し、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

リモートセンシングによる古代メソアメリカ遺跡の配置

 リモートセンシングによる古代メソアメリカ遺跡の配置に関する研究(Inomata et al., 2021)が公表されました。これまでの研究から、オルメカやマヤとして知られるメソアメリカの文化は、紀元前1400年から紀元後1000年の間に現在のメキシコとグアテマラの広い地域に広がっていた、と明らかになっています。こうした都市は、宇宙論的…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

最初の芸術とは何か

 最初の芸術に関する見解(McDermott., 2021)が公表されました。スラウェシ島では遅くとも45000年前頃までさかのぼるイノシシ(図1)を描いた洞窟壁画が発見され(図2)、現時点では世界最古の具象芸術とされており、世界最古の芸術との評価もあります(関連記事)。しかし、どの絵画や描画や彫刻が「最古」という言葉に値するのか、議論…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

最終氷期極大期以降の気温変化

 最終氷期極大期(Last Glacial Maximum、略してLGM)以降の気温変化に関する研究(Osman et al., 2021)が公表されました。過去24000年にわたる気候の変化から、外部強制力に対する地球システムの応答について重要な知見が得られます。気候モデルシミュレーションと代理指標データによってそれぞれ、この重要な期…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

更新世アフリカの乾燥化要因

 更新世アフリカの乾燥化要因に関する研究(van der Lubbe et al., 2021)が公表されました。現在のアフリカ東部の水文気候は、帯状の大気循環であるウォーカー循環の変動と密接に関連しています。この循環は、220万~200万年前頃に太平洋のウォーカー循環が発達した後、はるかに長い氷期–間氷期の時間規模でもインド洋領域の水…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新疆ウイグル自治区の青銅器時代の人類の遺伝的起源

 中華人民共和国新疆ウイグル自治区の青銅器時代人類集団の遺伝的起源に関する研究(Zhang et al., 2021)が公表されました。アジア内陸部の中心に位置する中華人民共和国新疆ウイグル自治区の最初の居住者の正体、およびその集団が話していた言語については長年議論が続いており、今なお異論があります。本論文は、ジュンガル盆地の紀元前30…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

アジア北東部集団の形成の学際的研究(追記有)

 アジア北東部集団の形成の学際的研究に関する研究(Robbeets et al., 2021)が公表されました。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。トランスユーラシア語族、つまり日本語と朝鮮語とツングース語族とモンゴル語族とテュルク語族の起源と初期の拡散は、ユーラシア人口史の最も論争となっている問題…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

徳永勝士「HLAと日本人の形成」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収のコラムです。著者たちは1990年代に、日本人地域集団と近隣集団におけるHLA(ヒト白血球型抗原)遺伝子群の多型調査に基づいて、日本人の形成過程について考察しました。HLA(Human Leukocyte Antigen)は免疫系において抗原提示機能を果たし、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more