テーマ:古人類学

チンパンジーとボノボの分岐

 チンパンジー(Pan troglodytes)とボノボ(Pan paniscus)の分岐について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Zihlman et al., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P 319)。チンパンジー属のチンパンジーとボノボは、250万~80万年前頃に分岐した…
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チベット高原の人口史

 チベット高原の人口史について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Zhang et al., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P319)。砂漠・熱帯雨林・高地・北極圏といった極限環境への人類の進出は、人類の認知能力にも関わってくる問題なので、注目されてきました。平均標高が海抜4500…
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現代人における古代型ホモ属由来の遺伝子の多様性

 現代人における非現生人類ホモ属(古代型ホモ属)由来の遺伝子の多様性について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Kelsey, and Huerta-Sanchez., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P311)。現代人の遺伝的多様性は、過去の移動と相互作用により形成されてきました。…
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氷期と間氷期の原動力

 氷期と間氷期の原動力に関する研究(Bajo et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。258万年前頃~現在までとなる第四紀は、一般に氷期と間氷期を繰り返す特徴があるとされ、北半球の大部分では、大陸ほどの大きさの氷床が凍った海水のように拡大・縮小と浸食を繰り返しています。中期更新世気候遷移期(MPT、125…
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アハルテケの起源

 トルクメニスタン原産の馬とされるアハルテケの起源について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Zhu., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P319)。この研究は、中華人民共和国新疆(Xinjiang)ウイグル自治区石河子(Shihezi)市十戸窯(Shihuyao)村の墓で発見された…
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デニソワ人由来のチベット人の高地適応関連遺伝子

 種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)に由来するチベット人の高地適応関連遺伝子について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Huerta-Sanchez et al., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P126)。高地に居住するチベット人は、高地適応関連遺伝子を有し…
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ヨーロッパ東部における後期新石器時代の漸進的な遺伝的混合

 ヨーロッパ東部における後期新石器時代の漸進的な遺伝的混合に関する研究(Immel et al., 2020)が公表されました。ヨーロッパ東部の考古学的記録では、農耕生活様式の最初の証拠は紀元前六千年紀に現れ、その頃に、たとえば紀元前5400~紀元前4900年頃となる線形陶器文化(Linear Pottery、Linearbandker…
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ニシローランドゴリラの縄張り意識

 ニシローランドゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)の縄張り意識に関する研究(Morrison et al., 2020)が公表されました。ゴリラは、行動圏(生活し移動する空間)が広く、複数の群れの行動圏が広範囲にわたって重複しており、群れの間での攻撃が少ないため、縄張り意識を持たない、と広く考えられています。この研…
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ネアンデルタール人とデニソワ人のY染色体DNA解析

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)のY染色体DNA解析結果を報告した研究(Petr et al., 2020)が公表されました。本論文はまだ査読中なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、ひじょうに興味深い内容なので取り上げます。古代D…
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アメリカ合衆国における「逆人種差別」の認識

 アメリカ合衆国における「逆人種差別」の認識に関する研究(Earle, and Hodson., 2020)が公表されました。西洋諸国に広がる政治的分極化と極右的な運動の高まりの一因は、非「白人」を優遇しているとされる社会において「白人」が差別に直面しているという認識にあると考えられています。最近の実験的研究で、一部の「白人」系アメリカ…
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エチオピアの早期現生人類の身体化石

 エチオピアの早期現生人類(Homo sapiens)の身体化石について、2020年度アメリカ自然人類学会総会(関連記事)で報告されました(Brasil., 2020)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P35)。解剖学的現代人の出現は人類進化研究において長く大きな関心を集めてきました。しかし、早期現生人類の形態と進化に関する知…
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2020年度アメリカ自然人類学会総会(ネアンデルタール人とデニソワ人のABO式血液型)

 来月(2020年4月)15日~4月18日にかけて、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市で第89回アメリカ自然人類学会総会が開催される予定ですが、コロナウイルスの感染状況によっては中止されるかもしれないようです(関連記事)。アメリカ自然人類学会総会では、最新の研究成果が多数報告されるだけに、古人類学に関心のある私は大いに注目して…
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言語脳活動の遺伝と環境の影響度

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、言語脳活動の遺伝と環境の影響度に関する研究(Araki et al., 2016)が公表されました。日本語の解説記事もあります。これまで、言語機能は生まれた後、両親をはじめとする周囲の環境の影響を受けて形成される一方で、ある特定の遺伝子異常により言語障害が生じることから、遺伝的な影響もあるこ…
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アフリカ東部における異なる石器技術の長期の併用とエレクトス頭蓋

 アフリカ東部における異なる石器技術の長期の併用と、石器と共伴したホモ・エレクトス(Homo erectus)頭蓋に関する研究(Semaw et al., 2020)が報道されました。エチオピアのアファール(Afar)地域のゴナ計画研究地区(The Gona Project study area)では、260万~200万年前頃のオルドワ…
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ヒトの足の進化

 ヒトの足の進化に関する研究(Venkadesan et al., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。ヒトの足は、剛性が高く、アーチを備えていますが、これらの特徴は効率的な直立歩行に必須です。ヒトが足の親指の付け根を使って体を押し出す時、足には体重よりも大きな力がかかり、そのため足の中央部分は湾曲します。しかし、足…
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脳における言葉と歌の区別

 脳における言葉と歌の区別に関する研究(Albouy et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。音楽と言葉は多くの場合、互いに切り離せない形で関係し合っているため、ヒトにとって、単一の連続した音波において旋律と言葉を切り離して認識するという能力には、大きな困難が伴います。現在、言葉の知覚は短時間の一時的な時…
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地中海西部諸島における新石器時代以降の人口史

 地中海西部諸島における新石器時代以降の人口史に関する研究(Fernandes et al., 2020)が報道されました。紀元前3000年頃、ポントス-カスピ海草原(中央ユーラシア西北部から東ヨーロッパ南部までの草原地帯)を起源とする人々が西進し始め、ヨーロッパ中央部の在来農耕民と交雑し、縄目文土器(Corded Ware)文化集団の…
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西秋良宏「アフリカからアジアへ」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。現生人類(Homo sapiens)には固有の「現代的行動」があり、そのために世界中に拡散して非現生人類ホモ属(古代型ホモ属)を置換した、との見解が以前は有力でした。しかし本論文は、拡散期の現生人類の…
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中期新石器時代から現代のサルデーニャ島の人口史

 中期新石器時代から現代のサルデーニャ島の人口史に関する研究(Marcus et al., 2020)が報道されました。サルデーニャ島は、100歳以上の割合が高く、βサラセミアやグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症のような自己免疫疾患や病気の割合が平均よりも高いため、病気や加齢に関連する可能性のある遺伝的多様体を発見するた…
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不妊の原因となる遺伝子

 不妊の原因となる遺伝子に関する研究(Ishiguro et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。全身の組織・器官では、通常は体細胞分裂と呼ばれる細胞分裂により延々と細胞の増殖が行なわれます。一方、卵巣や精巣では減数分裂と呼ばれる特殊な細胞分裂により卵子や精子が作り出されます。いずれも細胞分裂でありながら、…
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トバ山大噴火の前後も継続したインドにおける人類の痕跡(追記有)

 トバ山大噴火前後のインドにおける人類集団の痕跡に関する研究(Clarkson et al., 2020)が報道されました。インドを中心とするアジア南部は、現生人類(Homo sapiens)到来の年代およびその文化的特徴、それに伴う非現生人類ホモ属(古代型ホモ属)の置換などの点で注目されています。また、74000年前頃(アルゴン-アル…
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青木健一「現生人類の到着より遅れて出現する現代人的な石器 現生人類分布拡大の二重波モデル」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。現生人類(Homo sapiens)はアフリカから世界中への拡散の過程で、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)や種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)とい…
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ナミビアの牧畜民におけるペア外父性

 ナミビア北西部のヒンバ(Himba)牧畜民集団におけるペア外父性(extra-pair paternity、EPP)に関する研究(Scelza et al., 2020)が公表されました。動物行動に関する伝統的な見解においては、社会的に一夫一妻の種では比較的低いペア外父性(extra-pair paternity、EPP)率のはずだ、…
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ネアンデルタール人およびデニソワ人の共通祖先と未知の人類系統との交雑

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)および種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の共通祖先と遺伝学的に未知の人類系統との交雑の可能性を指摘した研究(Rogers et al., 2020)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。本論文は、すでに昨年(2019…
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高畑尚之「私たちの祖先と旧人たちとの関わり 古代ゲノム研究最前線」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。本論文は、近年飛躍的に発展した古代ゲノム研究を概観するとともに、その理論的発展も取り上げ、ゲノム研究の具体的な手法も解説しています。たとえばPSMC法は、ペアの相同染色体を小領域に区切り、端の小領域か…
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海部陽介「日本列島へたどり着いた三万年前の祖先たち」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。本論文はまず、3万年前頃までには、現生人類(Homo sapiens)が極寒地域や標高4000m以上の高地から熱帯雨林までアジア全域の多様な環境に適応して拡散していた、と指摘します。しかし、いつ到来し…
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Robin Dennell「現生人類はいつ東アジアへやってきたのか」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。本論文は、中国を中心としたアジア東部における現生人類(Homo sapiens)の起源、つまり現生人類がいつアジア東部に到来したのか、という問題を取り上げています。これに関しては、現生人類の拡散は1回…
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西秋良宏「東アジアへ向かった現生人類、二つの適応」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。本論文はまず、現生人類がアフリカからアジアへ拡散前に存在したアジアの先住人類を取り上げています。その代表格というか最もよく知られているのはネアンデルタール人で、東方ではアルタイ地域まで拡散したことが確…
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門脇誠二「現生人類の出アフリカと西アジアでの出来事」

 朝日選書の一冊として朝日新聞出版より2020年2月に刊行された西秋良宏『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』所収の論文です。本論文は、現生人類(Homo sapiens)がアフリカからアジア西部へと拡散した頃の考古記録を取り上げています。アジア西部は、アフリカ起源の現生人類がアフリカ外へと最初に拡散した地域で、現生人類とは…
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中国貴州省のルヴァロワ石器をめぐる議論

 中国南西部となる貴州省(Guizhou Province)の観音洞洞窟(Guanyindong Cave)遺跡で発見されたルヴァロワ(Levallois)石器群に関する研究(Hu et al., 2019A)を、2018年11月に当ブログで取り上げました(関連記事)。この研究(以下、Hu論文1)に対して批判(Li et al., 20…
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