テーマ:古人類学

以前の見解よりも早期に起きていたマヤ社会における暴力的な争い

 マヤ社会における暴力的な争いについての研究(Wahl et al., 2019)が報道されました。古典期(紀元後250~950年)におけるマヤ社会の争いについてはこれまで、儀式的なものであり、その範囲は限定的だと見なされてきました。一方で、古典期末期(紀元後800~950年)における暴力的な争いの証拠は、マヤ文明の崩壊を促進した、争い…
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ドイツ南部の青銅器時代の社会構造

 ドイツ南部の青銅器時代の社会構造に関する研究(Mittnik et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。日本語の解説記事もあります。古代DNA研究により、ヨーロッパ中央部における先史時代の遺伝的変化が明らかにされてきました(関連記事)…
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ヤグノブ人の遺伝的歴史

 ヤグノブ人(Yaghnobis)の遺伝的歴史に関する研究(Cilli et al., 2019)が公表されました。アジア中央部は長きにわたって人類集団・遺伝子・言語・文化・商品の重要な経路・交差点となってきました。アジア中央部の歴史は、異なる人類集団の大規模な移動により特徴づけられ、最終氷期極大期(LGM)後に活発化し、新石器時代と青…
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中国のフェイ人(回族)の遺伝的起源

 中国のフェイ人(Hui)の遺伝的起源に関する研究(Wang et al., 2019B)が公表されました。フェイ人(回族)おもにイスラム教徒により構成され、中国全土に分布しており、中国において公認された56の民族集団の一つです。フェイ人の起源と多様化については、大規模な人類集団の移動を伴うものなのか、それとも単純な文化伝播だったのか、…
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スカンジナビア半島の戦斧文化集団の遺伝的起源

 スカンジナビア半島の戦斧文化(Battle Axe Culture、BAC)集団の遺伝的起源に関する研究(Malmström et al., 2019)が報道されました。まず、本論文で取り上げられるおもな文化の略称を先に記載しておきます。戦斧文化(Battle Axe Culture、BAC)、縄目文土器文化(Corded Ware …
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先史時代の育児

 先史時代の育児に関する研究(Dunne et al., 2019)が報道されました。授乳や離乳など、小児期の食餌に関する研究は、過去の社会の乳児の死亡率や出生率を理解する上で重要な意味を有します。乳児の骨のコラーゲンおよび歯の象牙質の試料の窒素安定同位体解析から離乳の時期に関する情報が得られていますが、先史時代の乳児がどのような食物を…
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鮮新世の温暖化

 鮮新世の温暖化に関する二つの研究が公表されました。いずれも、現在の温暖化だけではなく、人類進化に関しても有益な知見になっているという点でも、注目されます。一方の研究(Dumitru et al., 2019)は、鮮新世温暖期における全球平均海水準を絞り込んでいます。鮮新世などの過去の温暖期における海水準の変化の再構築により、長期の温暖…
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顔面形態から推測されるハイデルベルク人の位置づけ

 先月(2019年9月)19日~21日にかけてベルギーのリエージュで開催された人間進化研究ヨーロッパ協会第9回総会で、ホモ属進化史におけるハイデルベルク人(Homo heidelbergensis)の位置づけ現生人類(Homo sapiens)の拡散に関する研究(Arsuaga et al., 2019)が報告されました。この研究の要約…
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ヒマラヤにおける人類集団の長期の遺伝的安定性

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒマラヤにおける人類集団の長期の遺伝的安定性に関する研究(Jeong et al., 2016)が報道されました。高地帯は人類の恒久的居住が遅れた場所の一つで、それは、起伏の多い地形や寒冷気候や低酸素や資源の相対的不足といった問題のためです。人類の恒久的居住地域として、ヒマラヤ山脈とチベット…
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バンツー語族集団の拡大と適応

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、バンツー語族集団の拡大と適応に関する研究(Patin et al., 2017)が報道されました。バンツー語族の人口史については、本論文の後に公表された研究を当ブログですでに取り上げていますが(関連記事)、その研究の前提となる知見が提示されており、重要と思われるので、以下に本論文の内容を簡潔…
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日本人の身長関連遺伝子

 日本人の身長関連遺伝子についての研究(Akiyama et al., 2019)が報道されました。日本語の解説記事もあります。身長や体重など、遺伝的要因と環境的要因が相互に影響して個人の違いを生じる特徴は多因子形質と呼ばれています。身長は多因子形質の中でも遺伝的な影響が強いと知られており、ヨーロッパやアメリカ合衆国の双子を用いた研究で…
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久住眞理、久住武『ヒューマン 私たち人類の壮大な物語─生命誕生から人間の未来までを見すえる総合科学』

 人間総合科学大学より2018年5月に刊行されました。本書は人間の総合的理解を意図しています。そのため本書は、DNAのような分子から、細胞→組織→臓器→個体→個体群(社会)→生物圏(生態系)まで各階層を扱い、それらを統合して人間を理解しようとしています。したがって、狭義の生物学だけではなく、文化的な側面にも多くの分量が割かれており、農耕…
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ドマニシの前期更新世のサイの歯のタンパク質解析

 コーカサス南部に位置するジョージア(グルジア)のドマニシ(Dmanisi)遺跡で発見された前期更新世のサイの歯のタンパク質解析に関する研究(Cappellini et al., 2019)が公表されました。古代DNAの塩基配列解読により、絶滅分類群の種分化・移動・混合事象の再構築が可能になりました。しかし、古代DNAの不可逆的な死後分…
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オホーツク文化人のハプログループY遺伝子

 一定以上の有名人の発言でも、イランは「広義のアラブ」というような、どうにも拡散・定着しそうにない馬鹿げたものを揶揄するように取り上げる(関連記事)のは時間の浪費だと考え、当ブログでわざわざ言及することはやめよう、と最近では心がけています。しかし、現代日本社会において、一定以上の比率で存在するだろう特定の政治的志向の人々の間でもてはやさ…
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ニア洞窟群の10万年以上前の人類の痕跡

 ボルネオ島のニア洞窟群(Niah Caves)のトレーダーズ洞窟(Traders’ Cave)で、0万年以上前の人類の痕跡が発見された、と報道されました。ニア洞窟群は1958年に4万年以上前の現生人類(Homo sapiens)の頭蓋が発見されており、これはアジア南東部では最古級の現生人類遺骸となります。報道では詳細は不明なのですが、…
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イラン高原西部のネアンデルタール人の歯

 イラン高原西部のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の歯に関する研究(Zanolli et al., 2019)が公表されました。イランとイラクにまたがるザグロス山脈では、1940年代後半の発掘以来、中部旧石器時代~上部旧石器旧石器時代の遺跡が発見されてきました。これらはおおむね、海洋酸素同位体ステージ(M…
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アメリカ合衆国における先住民の遺伝的影響

 アメリカ合衆国におけるアメリカ大陸先住民の遺伝的影響に関する研究(Jordan et al., 2019)が報道されました。アメリカ大陸には、ユーラシア西部系に近縁な人類集団と、アジア東部系に近縁な人類集団との混合により形成された人類集団(関連記事)が、ベーリンジア(ベーリング陸橋)経由で最初に拡散してきました。その年代は遅くとも16…
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デニソワ洞窟の堆積物の微視的分析

 シベリア南部のデニソワ洞窟(Denisova Cave)の堆積物の微視的分析に関する研究(Morley et al., 2019)が報道されました。デニソワ洞窟(Denisova Cave)はシベリア南部のアルタイ山脈の山麓丘陵に位置し(北緯51度23分51秒、東経84度40分36秒)、その開口部から30mほど下をアヌイ川(Anui …
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アシューリアン期レヴァントにおける用途に適した石器の製作

 下部旧石器時代のレヴァントにおける用途に適した石器の製作に関する研究(Venditti et al., 2019)が報道されました。レヴァントでは、下部旧石器時代の文化であるアシューリアン(Acheulian)は140万~40万年前頃まで続きました。アシューリアンは、両面加工石器もしくは握斧や鉈様石器のような大型の切断用石器の製作およ…
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現生人類の起源に関するモデル

 現生人類(Homo sapiens)の起源に関するモデルについての研究(Scerri et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。1980年代以降、現生人類の起源をめぐっては、大別すると多地域進化説とアフリカ単一起源説との間で議論が続いてきました。もちろん、それぞれの仮説も細分化されますし…
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ヨーロッパ北西部最古のアシューリアン

 ヨーロッパ北西部最古のアシューリアン(Acheulian)に関する研究(Antoine et al., 2019)が報道されました。ヨーロッパにおいては、人類の拡散は140万年前頃にはさかのぼりますが、アシューリアン石器群を有する人類の拡散はもっと後になると考えられています。両面加工石器のようなアシューリアン的技術は、アフリカ東部では…
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末期更新世における大型動物の絶滅の影響

 末期更新世における大型動物の絶滅の影響に関する研究(Tóth et al., 2019)が報道されました。現生大型哺乳類はヒトの活動に起因する絶滅の危険性が高く、その絶滅は生態系に深刻な影響を与える可能性があります。たとえば大型草食動物の絶滅は、景観全体を変えるかもしれません。本論文は、長年理由が議論されてきた北アメリカ大陸の更新世末…
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アフリカ東部の5000年前頃の巨大な墓地

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アフリカ東部の5000年前頃の巨大な墓地に関する研究(Hildebrand et al., 2018)が報道されました。巨大建造物の出現は社会の複雑さを示す指標とされ、それは階層化の進展を伴う人類史における画期として注目されてきて、人口密度の高い定住社会で発達した、と以前は考えられていました。本論文…
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DNAメチル化地図から推測されるデニソワ人の形態(追記有)

 DNAメチル化地図から種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の形態を推測した研究(Gokhman et al., 2019)が報道されました。種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)は、DNA解析結果から、現生人類(Homo sapiens)よりもネアンデルタール人(Homo neanderthale…
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Craig Stanford『新しいチンパンジー学 わたしたちはいま「隣人」をどこまで知っているのか?』

 クレイグ・スタンフォード(Craig Stanford)著、的場知之訳で、2019年3月に青土社より刊行されました。原書の刊行は2018年です。本書はまず、チンパンジー観察の難しさと、この分野におけるグドール(Dame Jane Morris Goodall)氏の功績を強調します。今では当然のように考えられている、チンパンジーが道具を…
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ネアンデルタール人の足跡

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の足跡に関する研究(Duveau et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。現代人やほとんどの現生霊長類のように、ネアンデルタール人も社会集団で生きており、おそらくは性の異なるさまざまな年齢階級の個体群で構成されていました。…
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数千人のゲノム規模データから推定される人類進化史

 数千人のゲノム規模データから系統や人口史や自然選択を推定する新たな方法についての研究(Speidel et al., 2019)が公表されました。本論文は、数千人のゲノム規模データから系統や自然選択を推定する、「Relate」という新たな方法を開発しました。これにより推定される現代人の系統はひじょうに多様で、深い分岐年代を示しますが、…
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最古の大麻喫煙

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、大麻喫煙の痕跡に関する研究(Ren et al., 2019)が報道されました。向精神的作用のある植物は、世界のさまざまな地域において儀式や宗教活動で使用されてきました。先史時代から歴史時代初期のユーラシア中央部で多く用いられたのは、ケシ(Papaver somniferum)やマオウ属種(Ephe…
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アフリカ外最古となる人類の痕跡

 アフリカ外最古となる人類の痕跡に関する研究(Scardia et al., 2019)が公表されました。アフリカ北部で240万年前頃の石器が(関連記事)、中国北西部で212万年前頃の石器が発見されたことにより(関連記事)、人類は更新世初期にはすでにアフリカからアジアへと拡散していた、と明らかになりました。これらの石器には人類遺骸が共伴…
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イタリア半島の人口史

 イタリア半島の人口史に関する研究(Raveane et al., 2019)が公表されました。現代ヨーロッパ人は、旧石器時代~中石器時代のヨーロッパの狩猟採集民、アナトリア半島起源の新石器時代農耕民、青銅器時代にポントス-カスピ海草原(中央ユーラシア西北部から東ヨーロッパ南部までの草原地帯)からヨーロッパに拡散してきたヤムナヤ(Yam…
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