テーマ:古人類学

エレクトスの性的二形

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ホモ・エレクトス(Homo erectus)の性的二形に関する研究(Villmoare et al., 2019)が公表されました。化石種の社会的行動の最重要な指標の一つは性的二形で、その社会構造の解明に役立ちます。多くの化石人類種には、性的二形のパターンを推定するのに充分な標本はありませんが、アウ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ネアンデルタール人による二枚貝の道具としての使用

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)による二枚貝の道具としての使用に関する研究(Villa et al., 2020)が報道されました。本論文は、ブヨ洞窟(Grotta dei Moscerini)の中部旧石器時代の遺物について検証しています。ブヨ洞窟はイタリアのラティウム地方では最大級の沿岸洞窟の一つです…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

中期~後期更新世の人類の外耳道外骨腫

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、中期~後期更新世の人類の外耳道外骨腫に関する研究(Trinkaus et al., 2020)が報道されました。ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)における骨部外耳道に生じる骨増殖性隆起は、すでに20世紀初頭の時点で指摘されていました。その後、中期更新世の人類では、ネアン…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ボノボとチンパンジーの集団内および集団間の雄同士の血縁度の比較

 互いに最近縁の現生種である、ボノボ(Pan paniscus)とチンパンジー(Pan troglodytes)の集団内および集団間の雄同士の血縁度の比較に関する研究(Ishizuka et al., 2020)が公表されました。血縁関係は動物の理解にたいへん重要ですが、異なる集団における個体間の血縁パターンは、とくに大型哺乳類ではほと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古墳時代の出雲人のDNA解析

 古墳時代の出雲人のDNA解析について報道されました。まだ報道でしか確認していませんが、たいへん興味深い研究だと思います。出雲市の猪目洞窟遺跡では1948年に3~7世紀頃の古墳時代のものと考えられる人類遺骸が発見されています。このうち6人で母系遺伝となるミトコンドリアDNA(mtDNA)が解析され、「縄文系」と「渡来系」がそれぞれ3人ず…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

アジア東部の中期~後期更新世ホモ属の頭蓋における外傷

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、アジア東部の中期~後期更新世ホモ属の頭蓋における外傷についての研究(Wu et al., 2011)が報道されました。本論文は、中華人民共和国広東省韶関市(Shaoguan)曲江区(Qujiang)馬壩(Maba)町の洞窟で発見されたホモ属頭蓋(馬壩1)の外傷を分析しました。馬壩1と共伴した…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

プエブロボニート遺跡の土器製作における性別分業

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アメリカ合衆国ニューメキシコ州にある有名なプエブロボニート(Pueblo Bonito)遺跡の土器製作における性別分業についての研究(Kantner et al., 2019)が報道されました。年齢や性に基づく分業は、現生人類(Homo sapiens)社会において普遍的に見られます。しかし、資料の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

人類進化系統樹におけるアンテセッサーの位置づけと後期ホモ属の進化の場所

 人類進化系統樹におけるホモ・アンテセッサー(Homo antecessor)の位置づけと、後期ホモ属の進化の場所に関する研究(Castro, and Martinón-Torres., 2019)が公表されました。現生人類(Homo sapiens)やネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)も含む後期ホモ属は広…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

先コロンブス期カリブ諸島の移住史

 先コロンブス期カリブ諸島の移住史に関する研究(Ross et al., 2020)が公表されました。カリブ海諸島は、大アンティル諸島・小アンティル諸島・バハマ諸島から構成されます。カリブ海には多数の島々が点在するので、人類や動物が島々に分散しやすくなりました。カリブ海諸島への人類の移住に関する有力説では、まずカヌーを用いた狩猟・漁撈・…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ジャワ島におけるエレクトスの出現年代

 ジャワ島におけるホモ・エレクトス(Homo erectus)の出現年代に関する研究(Matsu’ura et al., 2020)が公表されました。人類の初期の拡散に関する議論では、ホモ・エレクトスのユーラシア東部における最初の出現年代が重要となります。1990年代半ば以降、アジア東部では最古の人類の年代が180万~170万年前頃まで…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

永久凍土の古気候学的証拠

 永久凍土の古気候学的証拠に関する研究(Vaks et al., 2020)が公表されました。北極圏では気候変動が急速に生じており、予測では、今世紀半ばまでに夏季の海氷が完全に失われる、と示唆されています。北半球の永久に凍った土壌(永久凍土)の温暖化に対する感度はあまり分かっておらず、その長期的傾向の監視は、海氷の傾向の監視より困難です…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

チンパンジーにおける雄による子殺しへの雌の対抗戦略

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、チンパンジー(Pan troglodytes)における成体の雄による子殺しへの雌の対抗戦略に関する研究(Lowe et al., 2019)が報道されました。哺乳類では雄による乳児殺しが一般的です。これは、授乳中は月経が止まり、妊娠しなくなるため、雄が乳児殺しにより母親の授乳を止めてその出産間隔を短…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古代型ホモ属から現生人類への遺伝子移入の機能的結果と適応度

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)を中心に、古代型ホモ属から現生人類(Homo sapiens)への遺伝子移入の機能的結果と適応度の影響に関する研究(Rotival, and Quintana-Murci., 2019)が公表されました。出アフリカ系現代人の主要な祖先集団は、6万年前頃までにはアフリカから…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

アフリカ南部における中期石器時代の根茎の調理

 アフリカ南部における中期石器時代の根茎の調理に関する研究(Wadley et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。植物は遺跡では残りにくいため、先史時代に関しては植物採集よりも狩猟の方が注目を集めています。しかし、過去の研究から、植物食が狩猟採集民において重要な食資源となり得たことは間違いありません。植物…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

中世バスク地方で見られる寒冷期におけるミトコンドリアへの選択圧とトレードオフ

 中世バスク地方におけるミトコンドリアへの選択圧とトレードオフに関する研究(Laza et al., 2019)が公表されました。エネルギーを生成し活性酸素を生産するミトコンドリアの機能障害は、神経変性疾患や代謝性疾患やリウマチ性病変や加齢および癌と関連する過程など、いくつかのヒト疾患の発症に影響を与えているかもしれない、とさまざまな証…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

一部の現代人で確認されたデニソワ人由来のミトコンドリアDNA

 一部の現代人で種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)のミトコンドリアDNA(mtDNA)が確認された、と報告した研究(Bücking et al., 2019)が公表されました。核DNA中のミトコンドリアDNA配列(NUMT)の存在は、さまざまな真核生物で報告されています。ヒト参照ゲノムでは、合計755個のNUMTが…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

マウンテンゴリラの雄の子育て

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、マウンテンゴリラ(Gorilla beringei beringei)の雄の子育てに関する研究(Rosenbaum et al., 2019)が報道されました。哺乳類では雄の子育ては稀ですが、ヒヒやゴリラやヒトなどで観察されています。これには、栄養状態の改善や子殺し・捕食などからの保護といった効果が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古人類学の記事のまとめ(39)2019年9月~2019年12月

 2019年9月~2019年12月のこのブログの古人類学関連の記事を以下に整理しておきます。なお、過去のまとめについては、2019年9月~2019年12月の古人類学関連の記事の後に一括して記載します。私以外の人には役立たないまとめでしょうが、当ブログは不特定多数の読者がいるという前提のもとに執筆しているとはいえ、基本的には備忘録的なもの…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

2019年の古人類学界

 あくまでも私の関心に基づいたものですが、年末になったので、今年(2019年)も古人類学界について振り返っていくことにします。今年の動向を私の関心に沿って整理すると、以下のようになります。 (1)今年も大きく進展した古代DNA研究。 (2)タンパク質解析の人類進化研究への応用。 (3)人類の出アフリカの時期と経路をめぐ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ボノボの詳細な形態とヒトとの共通性

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ボノボ(Pan paniscus)の詳細な形態に関する研究(Diogo., 2018)が報道されました。これまで、ヒト(Homo sapiens)は他の動物よりもはるかに特殊で複雑と考えられる傾向にありました。こうした見解は、特定の筋肉がヒトだけで進化し、その独特な身体的特徴をもたらした、と示唆しま…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1990年代のネアンデルタール人への低評価

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)への評価は19世紀における発見以降、大きく変容してきました(関連記事)。ネアンデルタール人への評価がとくに厳しかったのは、ネアンデルタール人のミトコンドリアDNA(mtDNA)が解析され、現代人とは異なる分類群であることが明らかになった1997年から、ネアンデルタール人と…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

人類進化に関する誤解補足

 昨年(2018年)9月に人類進化についてのよく見かける誤解をまとめましたが(関連記事)、その後、ミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプログループ(mtHg)に関する誤解(関連記事)と、Y染色体ハプログループ(YHg)に関する誤解(関連記事)を取り上げました。ただ、mtHgとYHgに関する誤解は、さほど浸透していないというか、おそらく声…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

20世紀を駆け抜けたフェミニスト田中寿美子さん

 検索していて見つけた、表題の記事が興味深かったので、以下に備忘録として引用します(段落ごとに1行空けました)。  田中さんの前半生、特に1945年の敗戦までは、夫稔男に導かれて社会主義活動家としての人生だった。戦前から戦後にかけて、女性史・女性論に取り組んだ女性たちのほとんどが、社会主義婦人論をベースに、物事を考え、運動にコ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

種系統樹と個々の遺伝子の近縁性が一致するとは限らない

 『ゲノム革命 ヒト起源の真実』で強調されているのは、種系統樹と遺伝子系統樹とは必ずしも一致しない、ということです(関連記事)。現代人(Homo sapiens)と近縁な現生系統としてゴリラ属とチンパンジー属がいますが、個々の遺伝子というかゲノム領域で比較すると、現代人とゴリラ属が近縁で、チンパンジー属がこれら2系統とはやや疎遠だとか、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

2010年代の古人類学

 2010年代も残り10日を切り、この機会に2010年代の古人類学を振り返ります。2010年代にDNA解析技術の大きな向上により飛躍的に発展したのが古代DNA研究で、この流れは2020年代にさらに加速しそうです。この間の大きな成果としてまず挙げられるのが、2009年末の時点では否定的な人々の方が多かっただろう、ネアンデルタール人(Hom…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

現代アジア東部集団とデニソワ人の交雑の根拠とされた臼歯に関する議論

 下顎大臼歯の歯根数から、現代アジア東部集団の祖先である現生人類(Homo sapiens)集団と種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)との交雑の可能性を指摘した研究(Bailey et al., 2019)にたいする、批判(Scott et al., 2020)とそれへの反論(Bailey et al., 2020)…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

フロレシエンシスの足

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)の足に関する研究(Flohr., 2018)が公表されました。インドネシア領フローレス島のリアンブア(Liang Bua)洞窟では、6万年前頃までの人類化石が約100個発見されており、これらは新たなホモ属種フロレシエンシスと分類されました。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

感情を表す言葉における普遍性と多様性

 感情を表す言葉における普遍性と多様性に関する研究(Jackson et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。愛という感情はほぼ全ての人が感じます。しかし、トルコ語のsevgiやハンガリー語のszrelem、それらの英訳であるloveが伝える感情は同じなのか、という問題があります。本論文は、世界の口語の1/…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ジャワ島の末期エレクトスの年代の見直し(追記有)

 ジャワ島の末期ホモ・エレクトス(Homo erectus)の年代の見直しに関する研究(Rizal et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。エレクトスはアジア南東部島嶼部の最初期人類種で、ジャワ島に150万年以上前に到達しました(関連記事)。アジア南東部におけるエレクトスに関する現在の知…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古代人が噛んだカバノキの樹脂に含まれる遺伝的情報(追記有)

 古代人が噛んだカバノキ(Betula pendula)の樹脂に含まれる遺伝的情報についての研究(Jensen et al., 2019)が報道されました。カバノキの樹脂は樹皮を加熱することで得られる暗褐色の物質で、中期更新世(76万~126000年前頃)以降、接着剤として用いられてきました。カバノキの樹脂はスカンジナビア半島の遺跡で一…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more